『ワコルダ』(The German Doctor)

Wakolda

Wakolda

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リーフレットよりあらすじ)
舞台は1960年代のパタゴニア
美しい自然に囲まれたバリローチェの湖畔で民宿を始めた夫婦は、
ある品のいいドイツ人医師を最初の客として招き入れる。
医師は、年よりも幼く見える12歳の娘リリスに興味を示し、リリスもまた、
孤独な彼に、次第に心を開いていく…。
第二次大戦中、多くのユダヤ人に人体実験を行ったナチスの将校ヨーゼフ・メンゲレが、
身分を偽り、アルゼンチン人の家族と暮らしていたという衝撃の実話を映画化。
重大な秘密を抱えた男と、汚れのない少女の危うい関係を繊細に描いた心理サスペンス。
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自分はムッツリなガキであったので(今もか)、ガキの当時密かに楽しみにしていた
テレビCMがあった。下着姿の女優が、あるいは下着そのものが画面に大写しとなる。
そして最後に会社名が節をつけて声高に叫ばれるものだ。そう、その名は、
ワコール。ワコールだ。ワコルダ…
…失礼いたしました。ああ、ブラウザを閉じないでください。
こんなんヨメに読まれたら、締め上げられそうであります。
ところでヨメと言えば、ヨメと夫婦でいることのメリットは、普通ならまず観ない、
渋いラテン映画を観る機会があるということだ。前にもここで紹介したことがあるが、
コレラの時代の愛』や『法王のトイレット』は、いまだ心に残る「人生の映画」だ。
今回も期待に胸を膨らませて、ヨメと観に行った次第なのであるが…
ただ、日が悪かった。言い訳になるかもだが、丁度例の試験が終わった夜のことで。
疲れてしまっていて、少し、というかだいぶ、ウトウトとしてしまったのだ。
観終わった後、ヨメと一杯やりながら、いつものように論評会をしていたが。
どうにも話が噛みあわない。自分は肝心なところを見逃していたので、自分の中では、
「実は少女のお母さんと不倫をしていた医師。お母さんの御腹の中の子ら(←おっと)
の本当の父親は?そして、幼児性愛と見せかけてその実は父娘愛であったのか!?」
みたいなストーリーができあがってた。それを前提に話をしていたので、どうにも。
「あんた、寝てたでしょ」
そのままピンチョスの楊枝で目を突かれるところであった。ごめん、疲れててん。
しかしまあなんですな。敢えて詳細は書かないが(むしろその資格はないが)、
真の悪とは、狂気とは、の定義だ。人間として医者として超えてはいけない一線。
それがどこに存在するのか。それを超えさせてしまうものは何か。
あと戦争が終わったあともずっと、戦争は続いててんな、ということだ。
それは実は今も続いているのかもしれない。
今度観る機会があれば、しっかりと、その辺を改めて学びたい。
ナチスとの関係はわからんけど、パラグアイとかアルゼンチンには、いまだに
ドイツ人コミュニティがあり、そこではドイツ語をしゃべり、周りから一種独立した
文化を形成しているらしい。そんなんちょっとも知らなかった。驚きだった。
繰り返しになるが、その辺のことも学び直してから、再び観てみたい。
しかし、マイナーなラテン映画ゆえ、なかなか観る機会がなのだよ。おおそうか。