『まんぷくローカルマラソン旅』。

まんぷくローカルマラソン旅

まんぷくローカルマラソン旅

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日々のランニングもそれなりに楽しいのではあるけれど、
たまには変化が欲しい。いろんな違いのあるコースを走ってみたい。
何かそういう、ハイキングガイドみたいな、ランニングコースを集めた
ガイドブックみたいなんがないかな、しかも関西版で、と書店を探していた。
結局見つからなかった。代わりになんとなくこれを買った。て、なんでやねんな。
しかしことのほか面白かった。そういう発想はなかったので、新鮮な驚きだった。
ラソンと言えば、自分の頭には、年に数度のメジャーな大会しかなかったが。
地方に目を転ずれば、規模を問わず、魅力ある大会が毎週のように開かれている。
旅の楽しみと走りの楽しみの一体化。地元の人との触れ合い。なんとも惹かれる。
ただ、本作の中で一番胸を打ったのは、我が地元・大阪マラソンの回であった。
これはメジャー大会の部類に入るかもだが、日本的に見ればローカルとも言える。
いやはや、前にこき下ろしてしまったが、悪かった。あまりに地元すぎると、
自らが持つ魅力を感じなくなってしまうのであろう。おいしい食べ物は多く、
瀟洒、綺麗、とはいいがたくも個性あふれるスポットが沢山あり。そして何より。
人情味あふれる人々。大阪マラソンを走る多くの人は、この「日本一の声援」に
感動を覚えるらしい。マラソン未経験で、今自分だけを友に走るのみである自分。
この「声援」という要素は全く想像していなかった。筆者が、最後の南港に向かう
坂で屈伸をしていた時、見ず知らずの大阪のおばちゃんが、我がことのように
必死になって応援してくれた、というくだりでは、不覚ながら涙してしまった。
こんなライトなエッセーで、恥ずかしい限りだが。泣いた人は私だけではなかろう。
前あんなこと書いといて何だが、いつかは大阪も走ってみたい、と思い直した。
走るだけでなく、自分も南港の橋で、最後の難所に挑む選手を応援してみたい。
ようし、マラソンのイメージはできてきた。イメージ、だけやけどな(笑)
ただそのイメージが肝心だ。何事も。
地元のT塚ハーフマラソンをデビュー戦に、そこからはばたきますよ。
て、ムーランよどこにはばたいてゆくのやら。