NHKクローズアップ現代「終えられない不妊治療」を観て。

英検の面接対策のために(まだ足掻くか)、時事問題に見識を深めようと
最近欠かさず見ている。そうでもせんと、新しいものに触れる機会がない。
いやあ、今回は泣いてしまったよ。
不妊治療をやった」と言うには、もっと頑張ってらっしゃる方々に比べると、
全然頑張ってなかったヘタレ夫婦(いや、ヨメは頑張ったか)ではあるが。
それでも片足くらいはツッコんだことのある者としては、共感できることも多く。
また、今後の人生への驚くべきヒントもあったりで。非常にためになった。
本論に入る前に。これをお読みのあなたが、もし子供がいらっしゃらない夫婦で、
奥様が30台後半に差し掛かってて、いつかは子供が欲しいなあ、と思ってらっしゃる。
そういう状況ならば。余計なお世話かもしれませんが、敢えて言わせてください。
今すぐ不妊治療を始めてください。今はやりの言葉じゃないですが、「今でしょ」です。
35歳から40歳にかけて、妊娠できる確率は、まるで崖のようにがくんと下がります。
自分らはそういうことを知った時、すでに遅かった。あなたにそうはなってほしくないです。
ただ、結果にあまりとらわれないで、ということも言いたいです。大事なのはプロセスです。
番組の前半は観てて本当に苦しかった。経済的、肉体的、精神的に追い詰められる夫婦の姿、
そして出口の全く見えない闘い。それに「やめろ」とは立場上言えない医療界。
(あるいは営利目的から敢えて言わない、という卑劣な例も…なんてことだ。愕然。
自分らの先生は、ひどいことも言ったが、そいうのと比べればよっぽど親切だったかも)
街を歩く子供の姿を見ると悲しくなる。人とも付き合いが減りひきこもる…。身につまされた。
自分もそこまでじゃないけど。よくFacebookなどで、ひっきりなしに子供の写真を揚げる「友人」が
いるんだが、確かにかわいい、と思う反面、「だから?」と醒めて見てる自分がいるのは否めん。
ああ。この人は、子供がかわいくてしょうがないんだなあ、と思うと同時に、子供がいない気持ちなど
微塵もわからないんだろうなあ、という諦観がある。また自分は子供の騒ぎに対して怒るハードルも低いし、
孫の話が話の9割を占める両親とも距離を置いてしまってる。つくづく、自分の人間の小ささが嫌になる。
ただ、番組は後半に急展開を見せる。敢えて長い長い不妊治療を「終わらせた」夫婦が出てきていて。
なんとこの夫婦は自分らの子供を諦めた後、今までの仕事も辞めて、地域の子供を集めて保育所を始めた!
自分にはその発想は全くなかった。僻みと妬みと、ネガティブな感情の固まりになっていた。
そうやん。自分の子供がいないんじゃない。すべての子供が自分子供なんやん。そう思うと、なんやしらん、
この夫婦のほんまの心根の清々しさと、それにひきかえての自分の底の浅さに、涙がドバドバ出てきた。
幸せな家庭は似通っているが、不幸な家庭はそれぞれに不幸である、と言ったのは誰だったか。
子を産み育てる、というのは一番わかりやすい幸せの形で、それはほんまに正しい。生物としての本質だ。
ただ我々は「幸いにして」子供がいないのだから、それとは別の、それぞれの幸せの形を社会生活を通じ
体現していかんといかん。そいう人の持たない機会が与えられたのだから、これもこれでいい。
子供のいる人もいない人も、不妊治療で成功して子供が出来た人も、敢えて「卒業」した人も。
みんなが幸せになれる社会を、目指せればよいし、目指したい。