ときめき・ふたりハイク「壷阪山駅→土佐街道→高取城跡→壷阪寺」。

前回のハイクで、南河内〜大和エリアに味をしめたゆえ、再訪。
今度はもう少し足を伸ばし、壷阪山から高取山を目指した。
その前に、前回同様、阿部野橋コメダコーヒーも再訪。
今回は、前回食べ損ねた「小倉トースト」にもありつけ至極満足。
阿部野橋からの途中、車窓には橿原の宮や、飛鳥の里が飛びこんで来、
歴史のロマンがぷんぷん。連休ということもあり、レジャー気分を高める。
GWに縁なき自分であるが(自分はただの日曜)、GWを過ごしている錯覚に陥る。
壷阪山から土佐街道を上がってゆく。古い家並みが残され雰囲気のいい古道。
なぜに大和なのに、土佐に向かっているわけでもないのに土佐街道?と思ったら、
昔、土佐からの民が「片道切符」しか与えられずに労役を果たしに来さされ、
帰れなくなったのでここに土着した、と。なるほど地名は歴史の結晶である。
昨今オランダの団体が、火星への移住者を「片道切符」だけで募っているらしい。
でも結構希望者はいるらしい。将来火星には「ニューアムステルダム」という名の
町ができるのかしら(いや、過去にもその名の都市はあった)
程なく山道に入り、「七曲り」という名のきつい坂を喘ぎながら進みつつ、
「はい!こちら七曲署!」という演技をヨメにあっさりスルーされつつ(またか)、
登ってくると、石垣が増えてきた。どうやら高取城内に入って来たらしい。
見晴らしのいいところで食事に。

大和は 国のまほろ
たたなづく 青垣
山こもれる 大和しうるわし
…よういうたもんやわあ。
食後は、いよいよ城内に分け入る。ここ高取城跡は「日本一の山城」とも言われる
それは素晴らしい城があったらしい。いうてもそんな戦国時代とか昔のことではなく、
ほんの明治の初頭までは立派な天守閣が残っていたそう。城フェチとしては惜しい限り。

登るにつれ石垣が大きく立派になってゆき、その度にびっくりすることの連続。
倒しても倒してもさらに強い敵が現れるような、ロールプレイングゲームを思い出す。

石垣フェチ(なんやそれ)のヨメは大興奮で写真を撮りまくる。自分もそれなりに感動。
石垣にも上ったんやが、めっちゃ高いねんけど、高所恐怖症の自分にして、怖くないのだ。
この感覚は、自分としては非常に不思議なんだが。安定感が抜群やから安心するんかな…

帰り道、「五百羅漢」という磨崖仏が見送ってくれる。「日本=木の文化、西洋=石の文化」
という古典的な文化論があるけれども。日本にだって立派な石の文化が存在するのだ。
しかし何故こうも、廃城やら、崩れかかった石像に、自分は惹かれてしまうのだろうか。
自然や時間の流れと闘い、そして敗れ去った人間の姿、それがそこにあるからかもな。

麓にある壷阪寺に立ち寄る。かの『壷阪霊験記』で有名な古刹。と、偉そうに言っているが、
その話は今回初めて知った(要約すると、目の見えない夫「沢市」が、妻「お里」献身により、
観音様のご利益を頂き目が見えるようになる、という話。要約すると感動も何もなくなるが)
触ると夫婦円満、という「沢市の杖」にも触れた。が、しょうもないことで翌日に喧嘩。あら。
でもま、その後はまた仲良くなったから、ご利益はあったということか。はたまた。
このお寺は、しかし不思議な感じだった。「沢市」のほかにも、インド特集やら、大仏さんやら、
お釈迦様の一生を綴った聖画やらレリーフやらがあり(キリスト教の教会を思わせた)、
さながら「テーマパーク」的であった。また、『霊験記』のこともあってか、昔からここは、
目の見えない方々に対する意識が高く、日本初の目の見えない方専門の老人施設が併設されている。
そういうところで、そういう努力をなさっている方々がいるんだ、と自分の目の方が開かれた気が。

お土産として、「絵心経」プリントの布を買った。これももともと、字の読めない人に対して、
般若心経を教えるためのツールだったらしい。しかし何とも味がある絵。しかし解読は難しい。
読めた頃には、悟りがひらけているかもしれない。
*****
<本日の言葉>
壷阪寺本堂内に掲示されていた、ガンジー師のお言葉。
(邦訳は、掲示されていたものそのままです)

                                                                  • -

SEVEN SOCIAL SINS
七つの社会悪
1. POLITICS WITHOUT PRINCIPLES
節操無き政治
2. WEALTH WITHOUT WORK
不労の富
3. COMMERCE WITHOUT MORALITY
道徳のない商売
4. EDUCATION WITHOUT CHARACTER
徳を教えない教育
5. PLEASURE WITHOUT CONSCIENCE
心に響かない喜悦
6. SCIENCE WITHOUT HUMANITY
人間を忘れた科学
7. WORSHIP WITHOUT SACRIFICE
利己的な信心