『聞く力』。

聞く力―心をひらく35のヒント ((文春新書))

聞く力―心をひらく35のヒント ((文春新書))

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ヨメが読みかけの本を居間に放置していたので、留守をいいことに一気に読了。
これまた、留守をいいことに、ゲリラ的にレビューをアップすることとする。
自分は昔から、阿川佐和子さんのファンであった。まさに理想の女性と言ってもよく。
今回はその思いをまた強くした。なんと知的で、それでいて明るく人間らしい女性だ。
♪妻をめとらば才たけて、見目麗しく情けあり、てなもんであるよ(あんた何歳だ)
内容も勿論充実。かつて非常に短期間だけ、人にものを聞くのが仕事の職に就いたが、
非常に短期間で挫折した者としては、もう少し早くこの本と出会っていたかった。
ただ、何事も遅いことはない。今の仕事でも十二分に生かせることであるだろうし、
日頃ヨメから「話聞いてそうで、全然話聞いてない」と言われる身としては学びが多い。
また、常ながら人見知りかつ無口な自分に悩んでいるが(本当よ)、非常に励まされた。
自分が喋る必要はない。相手に喋ってもらえばいいんだ。これは四十にしての大発見であった。
「究極のダイエット法」=「周りの人を太らせる」にも通じる、コペルニクス的転換である。
そして次に自分が問うべきことは、必ず相手の発言の中に隠されている。それを必死で探す。
そのために相手の言うことを一生懸命聴く。それを繰り返し問うと、相手が生き生きとしてくる。
つらつら思い出すに、前バーテンさんと話してた時、なんだかの場所の話を自分がしてて、
彼が「自分が昔美容師してた時、よく行きましたねえ」と発言したことがある。よくよく考えると、
これは昔の身の上を話しますよ、「へえ、美容師さんだったんですか」と聞いてくださいよ、
という誘い球だったのだねえ。しかし自分は空気が読めないので、するっとスルーしてしまってた。
バーテンさんも内心、おお!スルーかよ!と思ってたやろなあ。今後はどんどんそういう誘いに
乗っていきたい。次はちゃんとやりますよバーテンさん。
早くコーモンを治してカムバックしますよ(しつこく言わんでも)。