恥ずかしながら、グアム旅行記4。

3日目。午前はまずは、Sトン近くの海でシーカヤックに興じる。
と書けば格好いいが、不慣れな自分らである。いささか「カチカチ山」的様相。
その後Sトンの向かいの島付近でシュノーケリング。それなりによかったが、
イパオビーチの素晴らしさがより際立つ気がした。次回は是非あちらに通いつめたい。
その後、お召し替えしてから、再び「赤いシャトルバス」にて遠出する。
最初の目的地はGPO(グアム・プレミアム・アウトレット)。巨大さに圧倒される。
ただ、ヨメも言っていたのだが、巨大で、品ぞろえも豊富なのは至極確かなのだが、
店構えや陳列のセンスというのが、日本と違っていて、どうも購買欲がそそられない。
逆に、そういうことに関するノウハウが、世界に誇る日本の強みなのでは、と思った。
自分がここで買ったのは、"Painless Earth Science"という地学の教科書のみ(何故)。
蛇足、ここでふと漏れ聞いた日本人親子の会話。「ママ、アウトレットてどういう意味?」
すると母「ブランドがたくさんあるってことよ」と。おいおい、ちょっと待ってくれよ。
それは2割くらいは当たってるかもしれないが、8割ははずれているぞ。怖いですね。
いやはや親を疑うことから、子供の自立が始まるのであるよ。なんだかね。
殆どの日本人観光客がここのフードコートに流れ込むのを横目に、我々は外を徘徊の上、
うらさびれたレストランに入る。ヨメは街の看板を写真でとりまくる。変な夫婦だ。
おお、俺は写真を撮れないのであったよ。と、まだ言うか、と。
食事を摂って、ハガニアという町にバスで移動。歴史の息吹を感じさせる、落ち着いた町。
大聖堂では、南国様式のステンドグラスが目を引く。緊迫の中、気を使って拝観。
遺跡では、グアムのシンボルのラッテ・ストーンを見学。歴史の謎に思いを馳せる。
その近くの公園で、若い子たちが踊りの練習をしている、なんだろうこれ(伏線)。
スペイン領時代の建造物跡。工事中で残念だったが、南米の町との類似性を楽しむ。
さらに北上し、海岸べりのパセオ球場へ。またこの野球オタクが嬉しがっていますよ。
かつて巨人軍がキャンプを張っていて、今も巨人の選手が自主トレを行うという球場。
一巡りしたが、え?こんなオンボロなん?こんな無防備なん?というのに非常に驚いた。
巨人ということで、たいして思い入れはないが(こら)、ビッグネーム揃いのあの布陣と、
このどこの河川敷ですか、というプリミティブな環境のギャップがなんとも、面白かった。
お正月ということで、有名選手はいなさそうで、地元の少年野球だか女子ソフトだかが
練習していたのみだったが、脳裏に阿部や坂本が躍動する姿を描き、重ね合わせていた。
そして押し迫る敗北感に浸っていた、とそれは余計なひと言。
球場の裏には岬があって、そこでは丘で地元の人が楽しそうにバーベキューをしており、
海では荒れ狂う中、これまた地元の人と思しき人々がサーフィンやボディボードをしていた。
洗濯板かアイロン台か、と思うような板を器用に操っていた。皆が当然、異様にうまかった。
ふとアイロン台でほんまにサーフィンできるか、と疑問が湧いた。探偵ナイトスクープに送ろか。
周りにヨメ以外誰もいない中、遥かその光景を目にしつつ、この日に来てやっと、
「グアムに来た」、という気がしたのである。身はここにあっても、心はまだ着いてなかった。
その感覚が嬉しい気がした。危険自慢や奇を誇るのではいかんけど、海外旅行には必要な要素だ。
最後はお目当ての「チャモロビレッジ」へ。この1月2日は水曜日で、毎水曜に開かれるという
ナイトマーケットに合わせての訪問だった。また観光客ゾーンに入ってきたという感じだったが、
ここは日本人だけでなく、様々な国の人が来ている様子だった。そういう他の国の方々は、
どこにいらっしゃったのだろう? うまく「棲み分け」がなされているのかしらん。
前にも述べたが「チャモロ」というのはグアム独自の文化。古来の南洋文化にスペイン時代の
影響が加味されたもの。言語的にも非常に面白く、ヨメは「チャモロ研究して移住したろか」と、
冗談なんか本気なんかよくわからんことを言う。悪くない考えだ。しかしその時俺は何しようか。
英語講師の仕事は逆立ちしても成り立たん。日本人相手のガイドか、グアム人に日本語教えるか…
脱線失礼。
夜店は様々な店が出ていて、中でも「のっけ盛り」みたいのがおいしそうだったが、
自分は腹の具合が思わしくなかったので(またか)断念した。なんとも残念。
そして始まった。中央広場での、チャモロダンス。
BGMは、にいちゃんのナマ歌で、それがまたええ声している。そして不思議なチャモロの言葉。
ところどころがスペイン語風に聞こえるが、また違う。意味はわからないけど、気分を高める。
そして、どっかで見た子たちだと思ったら、さっき練習していた子たちだ!(伏線回収)
その事実が喜びを倍増。一人目立つ女の子がいるなと思ってたら、やっぱりその子はセンターで。
チャモロ総選挙、みたいのがあるんかどうかは、寡聞にしてわからない。
祝福の踊りとともに、異国の夜は更けてゆき…
もう慣れた、楽しくなってきたと思ったら、帰らないかんのね。それも旅行の定めだ。
それが嫌なら、移住せねばなるまい、と蒸し返す。
いやあ、住んだら住んだで、またいろいろ嫌なこともあるんだろうけどね。