恥ずかしながら、グアム旅行記3。

昨日少し触れた「赤いシャトルバス」には、大いにお世話になった。
一回の乗車につき4ドルと割高ではあるが、「5日乗り放題券」が25ドルで購入でき、
7回乗ったら元をとれる。スポット間が離れているグアムにおいては、それぐらいすぐだ。
たまに頑張って歩かれる方もいるというが、涼しくても日差しは強いグアム。熱中症が怖い。
自分のホテルでは、WiFi使用権つきで23ドルで割引してたので、非常にオトク感があった。
まあ… ここで儲けたと思った4ドルの百倍くらい他で損したわけなんだが(まだ言うか)。
と、便利で便数も多いバスなのであるが、ただ難なのは、バキ混みなのと、時間が読めぬこと。
これは時期的な問題もあるんだろう。自分らの泊まってたSトンは幸か不幸か端っこにあるので、
心配なかったのであるが、中程から乗ろうとされていた方は度々「積み残し」を食らっていた。
ついでに思い出したのが、車内で幾度となく繰り返された光景である。バスに乗るとまず、
運転手が乗客に"Where to?"と尋ねてくるのであるが、ほとんどが日本人であろう乗客は、
これまたそのほとんどが、この"Where to?"がわからない。え?と固まって苦笑いの図、だ。
ほどなくして改めて運転手が「ドコイク?」と聞き直す。これがえんえん繰り返されるので、
停留所に停まるたび恐ろしく時間がかかるのだ。最初から日本語で聞けば?とも思う反面。
それ以上に、日本人がこんなにも英語ができへんものか、という愕然たる思いは拭えない。
自分も大したもんではないし、言えた義理ではないので、自戒も込めてのことであるが。
原因はいくつかあろう。"Where are you going?"は習ってても"Where to?"は習っていない。
自分も教えたことがないし、教えていない。それからわからんねんやったら、固まらんと
聞いたらええねんが、無言で固まってしまうこと。既にコミュニケーションの放棄であり、
これではコミュニケーションがはじまりようがない。ではどうしたらええんやろうな。
程なく車内は混雑してきて、列がさばききれなくなる、が既に乗った客は動かない。
"Back! Back!"と運転手が叫ぶが、それをまたなかなか聞かない。これは英語の問題か。
はたまた。
それでも何とかして乗客が詰めてスペースができたのに、それに関わらず、運転手は
"It's full! Next Bus!"と、列に並んでいる人を置き去りにしようとする。列の人は
えええー、と不満顔だが、何も言わずに運転手の言うがままに従う。なんか象徴的だ。
いやこれはわからん、運転手なりの論理やら自分の知らないルールやらがあるんかも。
だから自分も何も言わんと黙ってしまったが。それでよかったかと後悔はしている。
反面、こういう光景もあった。ヨメが買い出しに行ったハンバーガー屋で見たという。
お母さんがオドオドと、一生懸命子供のために、ゆっくり注文をしようとしていた。
その後ろから、日本の若者が大きな声で「ツーチーズバーガープリーズ」と被せた。
これはさすがに店員に"OK, After her!"とたしなめられていたそうだが。自分も、
他の局面で、店員や係員が他の人をアテンドしてるのに、ペラペラ、ペラリンコ、と
横から後ろから流暢に割り入ろうとする日本人を見た。なるほど英語はできたがいい、
しかしそれがために他人への配慮というか思いやりというかを忘れてはいかんのでは。
ともかくいい問題意識をもらった気がする。なぜ英語をやるのか、教えるのか、だ。
しかし今まで英語英語言うたけど、なんでこの南洋の島で英語を使うことになってるか、
改めて考えると、だんだん不思議な気持ちになってくる。国とは、言語とは、
いったい誰のもので、誰が決めるものなのだろうか。それと文化と歴史との関わり…
空からグアムを見ると、「青い海と緑の島」の感動で忘れそうになってしまうが、
北半分のほとんどを基地が占めていること、それも見逃してはならないと思う。
グアムはグアムとしてあった上を、スペインやら日本やらのいろんなものが通り過ぎ、
アメリカが上にある。その事実を抜きにして、グアムは語れないはずである。
スペインの影響という意味では、ヨメも非常に関心を持っているグアムの面白い部分が
またいろいろあるのであるが、それはまた次回に譲るとする。