Road to 大阪城「Moulin上京物語(後編)」。

実は今回の上京にあたって、非常に面白い偶然があった。
なんと義父が、全く同日に一泊二日で上京するらしい、というのである。同窓会だそうだ。
ムコとしては当然、都合が合えば是非お会いしましょうよ、と水を向けるものである。
ただ、義父の方は上京全体からして同窓会旅行として執り行われるということで、無理だ、と。
せっかくの機会に非常に残念ではある。が、反面ほっとした気がないではない(こら)
そんなやりとりがあったことなどすっかり忘れ、ひとり東京見物を続けていた。

新旧コラボ写真。「浅草好き」としては、やはり浅草に寄らないわけにはいかない。
あげまんじゅうやもんじゃ入り肉まんに舌鼓をうちつつ、浅草寺にお参り。そして、
最近の習慣ともなっている、ご朱印をゲット!。悦に入りつつ眺めていたら、気づいた。
吸い取り紙と思っていた紙をふと見たら、こんなことが書いてあった。ふむふむ。
「この頃、神社仏閣に参拝され『ご朱印』を受ける方が大変多くなっております。
 ・・・(中略)・・・
 このような本義から申しますと、お経も書写せず、あるいはお堂に入ってお参りもしないで、
 ただご朱印だけを集めて歩くということでは、本来の尊い意義を無視してしまうことになり、
 あるべき姿から離れてしまいます・・・(後略)」
いやはや、浅草寺、おみそれしやしたっ(江戸っ子) 恥ずかしいことしきりである。
気を取り直して、友人も薦めていた浅草→お台場のクルーズに。とことん形から入る自分である。

誰ですか、「雲の固まり」言うてはる人は。てこれもお約束ですな。

川風が心地いい。
船は松本零士氏プロデュースの新造船。宇宙的な雰囲気と、隅田川コントラストの妙があった。
関西的にわかりやすく言うと、ミナミとラピートの取り合わせと通じるものがある。(わからんか)
とことん松本零士プロデュースで、メエテルやテツロウがガイドしてるのは日本人には面白くて
ええんやけど、あれだけ外国人が乗ってるんやから、英語のガイドもしてみてもいいのではないか。
メエテルは名前や風貌からして英語が堪能な気がするのであるが。どうだろうか。

お台場ではやはりこれでしょう。フジテレビには目もくれず、直行直帰、であった。
ガンダムからゆりかもめの駅に帰る道すがら、信じられない、信じてもらえないことが起こった。
前方から、見慣れた顔が近づいて来ると思ったら、なんと義父であった。全く予期してなかった。
この広い東京で、三千万から人がいるという首都圏で、なんという偶然だろうか。
自分と義父と、お台場というシチュエーションというのがまた、なんとも面白かった。
思わず感動の握手を交わしてしまった。思えば六十億七十億人の人間の中で、「親子」になった
偶然からしてすごい偶然なのだから。こういうこともまあ、あるのだろう。それにしても不思議だ。
なんかこれはカギとなりそうだ。第九=歓喜の何が歓喜なのか。
前夜のレッスンのメンバーの笑顔。友人の笑顔。そしてこの時の義父の笑顔。
そういうものを瞼に描きながら、明後日、歌うとする。
そういう意味では得るものの多かった上京だった。