Road to 大阪城「Moulin上京物語(前編)」。

というわけで、アウェイ戦、行って参りました。久しぶりの東京は楽しかった。
前の上京は、古田選手の引退試合&ヨメ友人の結婚式二次会でのことであった。
そん時は、神宮と六本木と友人宅しか訪れておらず、しかもほぼ泥酔してたので(またか)
まともな東京見物となると、さて、いつぶりだったか、思い出せないほどである。
まあ一泊二日ではとても足りないし、行けたところも少しずつ「宿題」ができてしまったが。
何度も書いたことがあるが、地球の各所に「宿題」を作って回ることこそ、人生の醍醐味。

「宿題」と言えば、前の静岡旅行の「宿題」であった富士山を拝むというのは、
こんな形で果たすこととなった。奇しくも手前は、あの時立っていた三保の松原。幸先よし。

羽田に着くや真っ先に、麺欲を満たしに直行。東京と言えば、やはり蕎麦であろう。
その総本山とも言える「かんだやぶそば」。味もさることながら、雰囲気がよかった。
さすがは『美味しんぼ』で取り上げられているだけのことはある(基準としてどうか)。
特に、おかみさん?おねえさん?が、始終お客さんの注文状況を厨房その他に対して、
不思議な歌?に乗せて伝えてはったのが印象的だった。ええ、なんのことだかわからん?
わかりやすく言うと、あえて名前は伏せるがO将で「ソーハンイー、コーテルリャンナーホー」
とか言ってはるのを、歌?にしてる、みたいな感じだ。おお、余計わかりにくくなったか。
とにかく百聞は一見に如かず。興味ある方は行って、生で聴いてみてください。
その後は、腹ごなしも兼ねて歩いた。秋葉原が近かったので、秋葉原に流れた。
あくまで近かったからだよ!メインな目的ではなかったのだよ!(言い訳臭い)
久しぶりの秋葉原だが、その名が高まってからは初めてである。興味深く散策した。
いろんな意味で、カルチャーショックだった。あのAKB劇場の、あまりの小ささと、
(外から見ただけだが)、正面に集う男児達の長蛇の列に感銘を受けた。
せっかく秋葉原に来たのだから、手ぶらで帰るのも…、と思って、前から欲しかった
携帯の非常用電池を求めたのである。ところが、ここで微妙な経験を二つした。
この電池って、この携帯で行けますか?とレジの店員に尋ねたんである。関西人の感覚なら、
「行ける」「行けない」「わからない」の三つのどれかの返答が二秒以内に来るだろうし、
自分もそれを想定して聞いたのだが。「えー、そうですねー」とマニュアルを見出したり、
「少々お待ちください」と、裏に行って調べ始めたり。一生懸命やってくれはるんはわかる。
それをこんなこと言うのは申し訳ないのだが、わからんのやったら、わからんでええねん。
調べるんやったら後で自分で調べるから。言うたら、挨拶の一種みたいなもんで、そんなに
気入れてきいてるわけちゃうねん。やっぱ、会話のリズムというか、そんなんが違うんやな。
そうか思うたら、後ろで並んでいた紳士が、「おい!レジまだかよ!」とご立腹である。
関西から東京に移り住んでいる友人も言っていたのだが、人を睨んだり、怒鳴ったり、
という頻度が東京はどうも高い気がする、ということである。勝手な一般化は承知で
仮説を立てると、関西の場合、気安く睨んだり怒鳴ったりすると、ホンマに殴り合いになる、
というのが最大の理由かな(笑) いやまそれは冗談として。もう少し真面目に考えると。
東京はあまりに人が多いので、見ず知らずの人に再び会うことは絶対にあり得ない、という
想定がはじめからあるんちゃうかな。だから他人との関係性を保つ必然性が全くない、と。
反面人口規模が比較的小さい関西では、今日あった人にまた会うとも限らん、ということで、
浅く広く関係を保とうとする。それが、挨拶とか、挨拶代りの「ちょっかい」となるんでは。
ただ、店員さんの場合をはじめ、一度関係が築かれると、とことんそれに責任を持つ…
それは希少なゆえに価値があるからではないか、と。今回はそれが裏目に出た形だったが。
気持ちは本当にありがたかった。その時に言い足りなかったありがとうを、ここで言う。

ザ・おのぼりという感じだが。やはり行ってみた。事前予約をした方がいい、とは聞いてたが、
なんか「予約してまで…」という気恥ずかしさがあった。当日の整理券の配布もあるというし、
チョクで行っても大丈夫だろう、となめていた。失敗だった。午後4時前に行ったのであるが、
配布している整理券は7時からのものだった。その時には合唱に行かねばならなかったので、
涙を呑んで諦めた。次にリベンジだ。
・・・・・
書かないでおこうと思ったが、やはり腹に据えかねるので、書くことにする。
事前によく調べていず、システムがよくわかっていなかった自分も悪いのであるが、
16時からの入場券販売はこちら(整理券が必要です)と書いてあった通路に、知らずに
ふら〜〜っと流れて行ったら(整理券…うんぬんはよく見てなかった)、警備員?係員?
が血相変えて前に立ちはだかって、「入場には整理券が必要ですっ!!」と叱ってきた。
ちょっと間違えただけやん、そない怒らんでもええやん。えらい気張ってはることやわ。
職務に忠実なんはわかるんやけど… これも関西では考えられんことやわ。
いやごめん。忘れていた、ここはアウェイの地。ホームの論理を振りかざしても通用しない。
ただ、負け惜しみではないけど、夕日の当たるスカイツリーは壮観だった。
上に上がってしまったら、これは見れなかったはずだ。負け惜しみではないけど(笑)

そしていよいよ、上京本来の目的。第九東京レッスンに参加。
聞くところによると、このホールは日本で有数の音響的に優れたホールであるそうだ。
それもあったのだろが、いやそれにもまして、東京組の歌声は本当に素晴らしかった。
さすがは、大阪に来て歌おう、というだけのことはある。よく練習も勉強もされてるのだろう。
大阪でありがちな「いやっ、何やったかしら、ようわからへんけど、まええわ」的な人が
見たところひとりもいらっしゃらなかった。このやる時はとことん真面目にひたむきに、
てのが、東京の良さなのであろう。さっきは逆のことを言ったけど、いい風に出れば素敵だ。
この歌声を聴きに来ただけでも価値があった。ただ、その素晴らしい歌声に触発されたのか、
佐渡氏の指導がほんまにノリノリで、時間を大幅に超過し、終了予定の時間になっても、
フーガのところまでしか来てなかった(3分の2?4分の3?ぐらい)。
自分はこの後友人と約束があったので、佐渡氏の細かい指導を、泣きそうな思いで聴いていた。
そして焦りからか歌もそぞろになってきた。こら最後までいたら、どえらいこと遅れてしまう。
全部はとても出られへん。途中で出るならば今出ても同じことではないか。焦って歌っても…
また、素晴らしいフーガも聴けたし、もうこれで十分満足ではないだろうか。
幸い佐渡氏も「お急ぎの方はどうぞ…」、とおっしゃってるし…、と数々の言い訳をこしらえて、
佐渡氏がソプラノを指導されてて、あっちゃ向いている隙にコソコソっとずらかってしまった。
自分ではコソコソのつもりであったが、実際はだいぶ目立ってたかもしれん。とほほ…
ま、無理して来た関西人、最終の新幹線がありますので仕方なく…、ということにして頂いて。
嘘です。友人と飲みに行ってました。でもおかげさまで飲み会は素晴らしく楽しかったです。
中座の失礼は本番で取り戻します! 素晴らしい東京のみなさんが満足して帰れるよう、
微力ながら貢献したく思います! アウェイ戦は引き分け、いや一点差負けまでは十分な結果。
ホームで存分に暴れまわりたいです。
と、これで終わってもいいんでしょけど、しつこく二日目に続きます。