金本知憲選手、引退。

金本は広島時代、敵ながら好きな選手であった。
特に応援時のファンファーレが好きで、折に触れ、口ずさんでいた気がする。
その彼が阪神に来て、嬉しかった半面残念だったのは、そのファンファーレがこちらの応援に
引き継がれなかったことだ。片岡のんは(いわゆる檜風呂)やってくれるのにどうしてやろ、
やっぱり同リーグやから難しいんかな、とひたすら嘆いていたものだ、とこれは冗談として。
やはり金本は凄かった。自分が配球とかを読みながら野球を観るようになったのは高校くらいから
だろうが、その頃から当時までの阪神選手で、相手投手に「ビビられていた」のはオマリーだけだった。
それが金本にはあからさまに「敬意を払った配球」がなされていた。それを観るにつけ、なにかしら、
ただのファンである自分までが敬意を払われた=ビビられた気がして、鼻が高かったものだ。
成績的にはMVPに輝き不動の四番をはった2005年の彼の方が段違いに良いのであるが、自分的には、
この来てくれたばかりの、三番として色々な意味でサポート役に徹してくれた、2003年の彼の方が、
より強く印象に残っている。濱中が予定通り育ってくれていればまた違っていたのだろうがねえ…
その予定を狂わせた原因が、金本自身も後に苦しむこととなる肩の怪我、というのは皮肉な因縁か。
いやそれは本題ではなかった。ともかく、あの年の日本シリーズでライトスタンドからナマで観た、
こちらにぐんぐん向かってどんどん大きくなってきたあの弾道。あれは一生忘れられないだろう。
思い出はつきず、寂しい限りであるが、これも我が虎軍が新たな道を踏み出すためには致し方あるまい。
彼の晩年に関してはいろいろ言いたいことがあったし、実際ここでも何度か書いてしまったが、
それは今日ここで言うのは野暮というものだろう。というか自分の中で「ないこと」になっているかも。
いいのか?と思うぐらいで。不思議である。思い出が浄化されるというのは、こういうものなんだろうか。
今までお疲れさまでした。御苦労さまでした。
ほんま、そうとしか言いようがないですわ。
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<本日の言葉>
「ミラクルアーチ狙え レツゴー レツゴー 金本」
引退試合では、是非ファンファーレ、期待してます。
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「打球がライトスタンドをひとまたぎ それゆけチャンスだ金本 燃えろ金本」
これも捨てがたい。復活希望。
「前々任」の高井、「前任」の星野(修)、その時は「絶対またがへんやろ!」
と内心思いつつ歌っていたが、本当にまたいでくれそうな人を対象に歌えたのは感動だった。