ぶらり一人旅「静岡・こころの旅路2」。

お客さん、どちらから来られたんですかー
へえ、大阪ー? またどうして静岡へー?
ほう、富士山をー だめだよー夏は見えないよー
見えたところで、ただの岩の塊で面白くないよー
今度は冬に来て下さいよー 雪かぶっててきれいすよー
で、今日はどこ廻られたんですかー え、富士宮ー?
それと、清水ー? エスパルスドリームプラザにでも?(独笑)
日本平行かなきゃだめだよー 明日時間あれば是非行って下さいー
久能山も一緒に行くといいよー ロープウェー乗ってさー 気持ちいいよー
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夜、地元の飲み屋の大将との会話。ウロオボエだが、大体、こんなところか。
ところで、国内旅行した時、この「どちらから?」という質問に対しては、
いつも答えに迷うところだ。大概は面倒臭いので「大阪」と答えることにしている。
ただ、これは微妙ながら嘘である。自分らの住むT塚は、本当は大阪ではない。
でも、「T塚」と答えると大抵「TKRヅカ」とカタカナ化して解されてしまい、
話があっちゃの方に行く。といって「兵庫」と答えてもピンときてもらえない。
が、大阪へは電車一本で行けるが、神戸へは乗り換えねばならないこともあり、
文化的にはやはり我々は大阪に属しているのだろう。実家のK西もそうだけど、
この辺この沿線の住民はいつも実の「大阪」か名目の「兵庫」か、という狭間で、
アイデンティティの危機に苦しむのである。(つか、伏せるの無理)
ま、もともと「摂津」というひとつの国だったのを、勝手にあとから線引いて
分けられただけだから、こいうのも無理もないのか。
いや、本題でない話を長々と申しわけない。この大将の話の中にあった、
「夏は富士山は見えない」というのは、自分的には衝撃だった。きいてないよー(古)
なんでも、陸地が温められるので、すぐ雲が出てしまうのだとか。納得。
すこしのことにも、先達はあらまほしき事なり。ほんとそう。
翌日、大将の勧めに従い、日本平を訪れた。全く二日酔い無し。お茶割り最高!
ところが、その最高気分に水が浴びせられる。ロープウェーで上がれるものと思い、
久能山の麓までバスで来たが、いくら探してもロープウェーの乗り場がない。
なんととんだ勘違い。ロープウェーは「久能山から日本平まで」ということらしく。
久能山は自力で上がれ、ということらしい。自分が酔眼で聞いた話は疑ってかからねば。

というわけで、久能山登山開始ぃ! ひえー、これ登るの? 家康殿、ご無体な
高さ的にはたいしたことなく、はじめから登山のつもりならば、さほど苦もなかったろうが。
なんせ心の準備が全くなかったので。しんどさに輪をかけた。
しかも、夕方から大阪で(これも微妙に嘘)仕事だよ!

太平洋に励まされ。歩みを進める。汗だくだく。

ようやっと、頂上の久能山東照宮に到着。とてつもないパワー・スポットだと感じた。
真田雪村ファンであり、「六文銭ストラップ」をスマホにつけている、そんな自分が
ここ東照宮を訪れるのも、なんだか変な感じであるが。「家康、見参」と雪村気分で参拝。
嘘である。こんな腹出てて、汗でTシャツをロールシャッハテストにしてる雪村はいない。

逆に、なんだか励まされる。
受からぬなら受かるまで待とう不如帰。て、待ってる間に勉強せえって。

その後、ロープウェーで日本平へ。中国人の団体さんと一緒になってしまい、車内は満員。
中国語で騒然とする車内。車内放送まで、中国語になってしまって、ここはどこ私は誰状態に。
しかも、隣は中国人のオバハンがでかいケツを狭い空間に入れてきて、密着して困った。
そんな中撮った写真です(説明いらんか)
でも、お陰できれいなお姉さんが、自分専属で生ガイドしてくれた。怪我の功名である。
権現様もイキなはからいを。雪村魂もどこへやら、すっかり骨抜きのムである。

日本平から見える富士山は最高である。何、見えない?
こころの眼でなら、見えるはずです。

最後は、静岡駅で「沼津丼」を食しシメる。
これでこの日は終わり。やったらどんなによかったか。この後、帰阪し、トイレで着替えて、
汗ふきシートで汗拭いて、仕事したよ。
静岡、すっかり気に入った。是非また来たい。次は冬にリベンジである。
あ、ヨメの静岡話を書くのをすっかり忘れていました。それはまた機会があれば。