『ズッコケ中年三人組age46』。
- 作者: 那須正幹,前川かずお
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2011/12/01
- メディア: 単行本
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すんませんが、旅行記はまた中断しまして。本日はこれで。
『ズッコケ三人組』は、自分が子供の時大好きなシリーズであった。
というか、マンガ漬けだった自分が当時接していた唯一無二の活字だったかも。
敏捷で行動派のハチベエ、知性溢れるハカセ、優しく思いやりあるモーちゃん。
クラスのどこかにいそうで、でもいない。キャラの立ち方が塩梅が、よかった。
毎回がらりと変わる筋書きも、ありそうで、絶対ない。そのバランスが魅力だった。
また、ハチベエの短慮、ハカセの理屈先行、モーちゃんの優柔不断を
全部足して三で割ったかのような自分は、三人それぞれの悩みに共感したものだ。
さて、近年その後日譚というか続編というかが出ている、という噂は聞いていた。
ただ、今までは何となく敬遠していた。気にはなるんだが、何か読むのが怖い。
昨日の話ではないが、夢は夢のままでおいときたい、その気持ちが邪魔をしていた。
しかし、先日冒頭の書を偶然本屋で見つけ、気付いたら買ってしもてた。なんと。
せっかくだから、読みましたよ。それなりには楽しめた。なんか、えらいことですよ。
実は自分はその昔、作中キャラの一人、「安藤圭子」さんの隠れファンであり、
淡い恋心すら抱いていたのであるが。て、こんなこと今告白してどうするのだ。
それがそんな… まあ、予想はしていたけど… 寂しくもショックである。
ま、今似たようなもんが隣におるから、ええとしょう(何がええんか)
その他にも、いろいろ、えらいことなんである。ま、大人になるとは、えらいことですわ。
それにしても、えらすぎると思わんでもないけれども。どうしちゃったんだ、思うくらい。
ごめんなさい、きわめて抽象的ですが。今回は敢えて内容書くのはやめときますわ。
自分と等身大のキャラが、自分と同様の悩みを抱えて暮らしている。そこには確かに共感がある。
けど、共感がすぎて、なんか苦しいわ。重すぎる現実に、ともに押しつぶされそうになる。
言葉は悪いけど、自分の現実だけで手いっぱいで、他人の現実までしょいきれない。
自分を含め、壮年期には同窓会からはなれてしまう人が多いのは、そんなとこかもしれない。
もう少し年が行って、もう少し突き抜けてくれば、話は違ってくるのかもしれないけど。
その意味で、彼らは46。40に満たない(←あえて強調)自分とは違い、その境地に近いのかも。
しかしまあなんですな。小学生の時のままの生活圏、人間関係で暮らしている彼らを見ていると。
無性に羨ましくもなってしまう。自分はいろいろあって、そういうの、失ってしまったので。
あんなに出て行きたかった小さな社会に、後になって恋焦がれるとは。なんとも皮肉である。
ごめなさい、なんだか湿っぽくなっちまいましたが。いけね。
まあ、失ったものでも、思い出すことはできる。そしてないものも、作ればいい話か。
て、なんか話がよれてしまったけど、結論。
いろんな意味でオトナを描いた本書である。児童書のコーナーに置いてはいけない。断じて。
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<本日の言葉>
「だからさ、小さい頃、仲のいい友だちがいたとするでしょう。本人は、かけがえのない親友だと
思っていても、先方は、それほどでもなかったってことがあるじゃないの。
ようするに、本人の思いこみってこと」
安藤 圭子 (本書より)
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麗しの圭子嬢。これまたきついお言葉で。