「あれあれ詐欺」??

なんかの勧誘の電話ほど、気の滅入るものはない。
多忙時にかかるのは、なおさら。大人気ない対応をし自己嫌悪に陥るのも嫌。
まあ、向こうもお仕事でやってはるのは、重々承知なのだが。
しかし、そいうふうに、無理矢理に無い需要を掘り起こさないかんのって、
資本主義の最大の弊害やで、というのは大袈裟or左前的考えなんかいな。
先だっては、まさに震災の日、職場で情報収集に追われてる時にあった。
「すみませんが今取り込んでますので!」とキレて切ってしまったが。
向こうも、知らないだけやったのだろうが。にしてもタイミングが最悪だ。
あるいは、近所の御主人。電気給湯器?全電化?詳しくはわからんけど。
それ系の勧誘の電話に対し、「この節電のご時世に何を…」と、相手に対し
しばらく苦言を呈されたらしい。まあ昨今、もっともな話ではある。
繰り返しになるが、向こうもお仕事としてやってるので仕方ないのはわかる。
辛いのはいつだって最前線である。いらつきながらも、いささかの同情はする。
同情できないのは、先日かかってきたやつだ。いつものことがあるので、
知らない番号でかつ、変な時間にかかってきた電話には、元来「構え」がある。
無視したいが、万一大事な電話だったらと思って取る。大抵万一はない、が。
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「もしもしぃ」
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その「もしもしぃ」は、いかにも軽薄そうな男の声であった。村上春樹風に言うと、
(別に言わんでも)軽薄が蝶ネクタイをつけてタキシードを着ているほどであった。
はい、と自分は不機嫌そうに答えた。いつもながら、向こうは少々驚いた様子だ。
平日昼間の一般家庭に掛けて、中年オヤジの声が出るのはあまり予想しないのだろう。
相手はひるみながらも、続けた。
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「あれぇ、T塚の○田さんのお宅ではございませんか?」
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ちがいますが、と自分は即答した。つうか、その聞き方普通やないやろ。怪しさmaxだ。
で、もっと変なのがこっからである。普通、間違えました失礼します、で終わるやん。
それが、
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「あれ、じゃあ、私はどこに掛けてるんでしょうかぁ、どちら様でらっしゃいますか?」
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はい、私はム…、と言いかけるが。ちゃうやろ!何で言わないかんねん。危ない危ない。
とにかく違います、全く違います、間違い電話じゃないですか、と返すと。
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「あれ、****-xx-ooooじゃないですかね」
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と、全く見当違いの番号を言ってきた(****は合っていたが)。
違いますね、こちらは…ておい!あぶねえよ。もう絶対につられんぞ、と決意を新たにし、
適当に対応してたら、すみません失礼しました、と向こうから切った。
一瞬、「キャバクラかどっかで、女の子に番号聞いて、違う番号を教えられた男」かな?
とか思ったが(昔合コンで類似経験あり←蛇足)、その仮説は最後の会話で覆るな。
大方、ランダムに電話して、電話番号と個人名の対応リストでも作っているのだろうか。
それを下地に、また今度は違う「シナリオ」で電話をかけ釣ろうという腹であろうか。
うんにゃ、被害妄想かな。ただのしつこい人の間違い電話、なのかもしれんが…
ま、このご時世、注意しすぎてもしすぎることはない。世知辛いこの世よのう。
ひとつ後悔している。今回は全く向こうのペースに引き込まれてしまった。
今度かかってきたら、こっちのペースでもう少し通話を楽しみたい気がする(変態)