日の本のホマレ。

「その者青き衣を纏いて、金色の野に降り立つべし」
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感動した、と当たり前の言葉で片付けるのは本意ではないが。それでも、感動した、と言わねばならぬ。
自分の今までの人生でテレビで観た、心に残ったスポーツ中継のベスト3を敢えて選ぶとすると、
第二回WBC決勝:日本vs韓国戦。1988.10.19近鉄―ロッテ戦。サッカーフランスW杯最終予選:日本vsイラン戦。
その三つになるだろうが。このたびの激闘は、ドラマ性といい、ラストの歓喜といい、それらを凌ぐかもしれん。
すなわち、この四十路を前としたスポーツオタクが観た、人生最高の一戦。それほどの激闘、激勝であった。
サッカーと母国に対する純愛を貫き、大胆かつ勇敢に闘った大和撫子たちには、本当にありがとう、と言いたい。
また、相手の米国。こんなにも強くそして美しい見事な敵役もなかった。ワンバック、怖かっただよ〜〜。
勝ったから言えるのかもしれないが、米国にもすばらしい闘志をありがとう、という気持ちでいっぱいである。
なんかもう、いろんな思いが押し寄せてきて、どうにもまとまらず、勢いに任せて書いてしまうが。
自分の感動のポイントは、強いて言えば三つある。ひとつは、やられても、どんなひどい状況に陥っても、
前を向いて闘ったその姿勢である。自分は正直、モーガンのゴールではまだ耐えていたが、さすがに延長の
ワンバックのヘッドには「もはやこれまでか…」と下を向いてしまったが。あくまで諦めない姿勢に心を揺さぶられた。
次に、宮間と澤が叩きこんだゴールの、あまりの美しさである。宮間は体勢を崩しつつもキーパーの裏をかき、
左足で押し込んだ。澤の延長弾に至っては、何回も観た今となっても、どうやって入ったのか理解できない。
ただ、それも日頃の鍛錬の賜物なのだろう。それが、この局面この状況で出ることの凄さ。舌を巻くばかりだ。
あとは、これも諸所で指摘されているが、PK前の日本代表の円陣でこぼれていた笑顔の波である。
アメリカ陣営のてんぱりぶりとはあまりに対照的で。それを見た時に、勝利を予感したのは私だけではあるまい。
大変な状況にして、明るく力強く振る舞う姿には、もうPK始まる前からウルウルきてしまった。
感動をありがとう、と言ってしまうのは非常に簡単であるが。それにとどまらず。
感動とともに彼女たちの「教え」を胸に、また自分も頑張って行こうと思う。
蛇足ながら。世間にも感動をただ「消費」するだけでなく、いろんな意味での将来を築く糧とすることを望む。
バイトしながらサッカーしている彼女たちの生活にも、思いを馳せねばいかんと思う。
と、利いた風な口はこれぐらいで。ともかくおめでとうございます。
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<本日の言葉>
「苦しい時は、私の背中を見なさい」
            澤 穂希


こんなキャプテンシーを持った人が他に今日本にいるだろうか! スーパースターだよ!
自分も背中、見させてもらいます。