男の癇。女の勘。

こないだ少し実家に顔出した時のことである。
オカンと妹がいて、話はうちの猫のこととなった。オトンは仕事、甥は幼稚園で出かけていた。
ちなみに、妹は今家を建て替えとるところで、実家に居候中なのである。いやほんま蛇足か。
猫を飼ったんだ、とは前にオカンに話していたのだが、その直後にオカンがオトンにそれ報告したところ、
「名前は? ちゃんと名前を聞いとかんかー!」 とオトンがキレたらしい。その不条理をこぼしていた。
そのキレ方は、わが父ながらどないや、とも思う。いやその血は、脈々と自分に流れているわけだ。
じゃ、今名前伝えとくわ、でも覚えられるんかー、と冗談交え、「ホセとアントニオ」とオカンに教えた。
(ホセ・テンプーラ…はさすがにやめた) ま、絶対覚えてへんな、と妹がダメを押す。
その後、建築中の妹の家(実家近く)を見学に行き、現場のマンホールにムの片足が落ち、ムが負傷したり
(ドジは相変わらずである) 甥が帰ってきて、甥の相手をしたりで、すっかり長居をしてしまった。
で、夕方オトンが帰ってくるまで留まってしまった。オカンに、名前覚えているか、自分で言うてみー、
そう仕掛けると、オカンは案の定、「あーー、アントニオ、いうのは覚えてるんだけど、あと何だったかねー」
と苦労の様子。「あーほれほれ、何ーー、あーー思い出せないーー」 それを妹ともどもにんまりと眺めたが。
次に自分にとっては驚愕の瞬間が訪れた。
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「ああー、なんだほれ、、、『そら』でもないしねえ、、、」
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ホセの前の名前は「空」。それは一言もオカンに言ったことはない。
ただの偶然か。はたまた、時空を超越した女の勘、というやつか。
実はすごく怖いかも。この人に隠し事はできないかも、と背筋が寒くなったムであるよ。(←悪行三昧)
<おまけ>

時の過ぎゆくままにこの身を任せ。二人冷たい背中合わせる。(どこかで聞いたような)
いや、冷たいわけはありませぬ。
暑いですねえ… 私も含め、のびとります。