映画『プリンセス トヨトミ』。

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前にも書いたが、原作小説は面白い。しかし予告編にある配役には疑問符がついた。これは危険な香りがするぞ、と。
負けるのはわかってるのに、腹立つのは分かってるのに、甲子園に行く。やめといたらいいのに、行ってしまう。
それと同じ感覚であったよ。文句言うなら観るな、ということなのだろうが。わざわざ腹立ちに行きたいというか。
我ながら悪趣味の極みではある。いやでも、たまには阪神も勝つ。ひょっとして予想に反し、面白いかもしれない。
果たして…、と。ここからは、ここではなんだから、ウラで話しまひょか。
ネタバレが嫌な人はここでさよなら、と。






一言で言うなら、やはり「綾瀬はるかのプロモーション・ビデオ」だった。
目玉と思われるシーンでは、大画面での迫力になんか「宇宙酔い」しそうになった。まだ瞼に焼き付いている。
永遠のクロソイド曲線、つうか。1/fの奇跡、つうか。いやもうあれはあざとい。しつこい。悔しくすらある。
ご覧なった方は、おわかり頂けるだろう。あれずーっと2時間やっててもいいくらいな気がするがどうだろう。
まあ、それを出したかったんやろうな。或いは前にも書いたように、事情で出さないといけなかったのか。
それがために、配役変更を余儀なくされた。原作における旭ゲーンズブールは、要と言ってもいいキャラだ。
岡田君は頑張っていたが、やはり無理があったよなあ… 変更を不自然なく見せるためにはどうしても、旭を
「空気」にする必要がある。ただ旭の魅力が消えるだけならましなのだが、旭が原作で担ってた重要な役割も
ことごとく減らされたため(詳しくは書かないが)、原作にあった壮大な物語が、なんとも、しぼんでしまった。
至る所で、「発想自体は面白いが、尻すぼみ」「もっと大きなスケールな話と思っていた」と評されているが…
声を大にして言いたい。ちゃうねん。スケールは大きかってん。めっちゃ面白い話やってん、と。
立派だった魚が切り身にされ、刺身でもうまいのに何か知らんけどフライにされ、その味をうんぬんされている、
そいうのを聞いている感覚に陥っている。
まああれだ。原作の映画化は難しい。その評価も難しい、という典型的な例だろう。
そして映画は、それ自体のクオリティだけを目指されているのではなく、いろんな要因で出来上がるものである、
という例でもある。繰り返しになるが、そいう例をツッコミつつ観るのが、嫌いではない変態の自分である。
なんかこう、わびさびの境地をそこに見るんである。てやっぱ俺、おかしいか。
最後にひとつだけ。最後あれだけ引っ張るんやったら、もっと他にいろいろ時間使えたんじゃないかなあ…
そうしたら… いや、もうええわ。



<おまけ>
あの少女役の子(女装じゃない方)、涼やかな目とちょっと滑舌が悪いとこがええなあ。
て、結局そいうとこしか見とらんやないか、と。