観戦こぼれ話。

昨日の補足である。
観戦時、後ろの席に座っていたギャル(死語)集団がめちゃめちゃ面白く。
耳だんぼで話を聞いてると、って、あまりに大声なので嫌でも耳に入ってきたが。
どうもその中の一人が仙台出身の子で、その子を中心として初めての野球観戦らしい。
その子以外はベタベタの関西人で。「カニトップて何? カニの会社?」はじめ、
いろいろ面白いことを言ってた。それについても多々書きたいが、それらは残念ながら割愛。
「○○君ー! 頑張れー! 男見せろー!」
「え、○○君て、知ってんのー?」
「ん、全然ー!」
という調子でぎゃあぎゃあ騒いでいた。この元気が、明るさが、救いだと思った。
彼らはどうも、就職活動が佳境のようで、一人はもうすぐ最終面接を迎えるということ。
「何しゃべろーかなー」
「バイトやサークルの話したら、面接官、『またですか』て空気になるよなー」
「うちら『ゆとり』やし、向こうもどうせ『ゆとり』みたいな目で見とるしなー」
「でも周りの男子でも、『こいつの人生どうなるんやろー』て思うやついるよなー」
と、なんとも鋭いことも話していた。
最後9回の盛り上がりの時は、周りにもまして盛り上がってた。その明るい子たちが、
東北の敗北から、大垣の校歌、そして双方への拍手には静かに入り込んでいて。
「いいよね、こういうの」と、一人がぽつりと言った。その声は涙声だった。
そのあまりに印象に残る応援ぶりに感じ入ったのか、近くにいた、東北高校OB会の帽子をかぶった
おじさんが、ありがとう、みたいなことを言いに行ってた。そしておじさんが持ってた旗を囲んで
写真撮影をしてた。おじさん、美味しいなあ、と少し思った(おい)。で、しばし談笑をしていた様子。
「この子仙台なんですよ」
ひとりがおじさんに告げた瞬間、おじさんはなんとも言えない表情で仙台の子を、ただ見つめていた。
仙台の子もおじさんを見つめ返していた。全てを伝え合う沈黙、というのがあるとすれば、これだと思った。
別れ際、おじさんは「この旗、記念にあげるよ」と仙台の子に渡していた。
それが、昨日の写真の旗であるよ。
その後、どうしても、この「友情の旗」を撮りたくて、仙台の子に声をかけたのだ(ナンパ野郎)。
声をかけた際、びっくりしたのか、彼女は、もう一方の手に持ってたビールをこぼし、袖にかけてしまった。
すまん、仙台の子。こんなこと言えた義理じゃないが、負けずに頑張れ。就職頑張れ。
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東北戦の後は、まったりほろ酔いで二試合を観た後、「甲子園歴史館」を訪れた。
ここ、やばいよ。ほんとにやばい(語彙ないんか)。自分、下手したらここで一日つぶせるぞ。
この日は時間がなかったので、駆け足になってしまったのが残念だが、また来たいと思う。
そんな中、すこしショックな子供の会話があった。
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「あ、バースや」
「すごかったらしいなあ、おじいちゃんが言うとったわ」
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お父さん、でも普通にショックなところが、一足飛びである。
光陰矢の如し、を痛感した。