虹の向こうに・パラオ旅行記4。






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今日は、パラオの「山」の話だ。
パラオ最大の島「バベルダオブ島」へ。島内には鬱蒼としたジャングルが広がる。
その中でのトレッキングツアーを楽しんだ。目指すは、「ガラスマオの滝」。
独特の植生の森林の中、ぬかるみや川に行く手を阻まれながらの行軍。
かの「川口浩探検隊」が脳裏をかすめた。「ゆけーゆけー…」と脳内BGMが流れる。
関係ないが、今回なんとなくググってみたら、「水曜スペシャル」のタイトルに、ありましたよ。
「緊急特報! パラオ島奥地に生き残り日本兵を追え!!」
「これが海底大洞窟だ!! 世界最大! パラオ諸島の二つの島を結ぶ鍾乳洞トンネルは実在した!!」
いや、ほんま、関係ないんすけど(笑)。まあ、それほどの秘境ムードが溢れていたってことで。
しかし冗談でなく、歩きながら、その昔ここを行軍していたかもしれない、日本兵のことを思った。
昨日も書いた「プロの遊び人」なツアコンの指導の下、川遊びを楽しんだ後、いよいよ滝に到着。
ここでもツアコンが教えてくれる。滝まで近づいて、ここ立ってください。下に虹が見えるでしょ。
で、そこで上向いてください。どうですか?(笑)
息を呑んだ。
頭上に降り注ぐ水滴。そのひとつひとつに光が射し、それがキラキラと輝く。
数多くの宝石を全身に浴びるような、不思議な感覚に陥った。止まってるんだけど動いている。
動いているんだけど止まっている。水滴が下りているのか、或いは自分が上がっていってるのか。
それでボーっとしたわけではないのだろうが、その後、石で滑って足を突き指。これは蛇足。
帰りは別ルートを辿ったのだが、これが行き以上に難路で、そりゃあもうドロドロであった。
それに輪をかけて、前を歩いている少女が、泥が嫌らしく、ぎゃあぎゃあ騒いでいて。遅い。
「いやだあ、汚い、こんなとこばっか、なんでこんなとこ歩かないといけないの…」
お嬢さん、汚いのは、泥じゃあなく、あんたの足の方かもしれないですぜ。
大人気なくもイラっときてしまった。突き指が痛んで機嫌が悪かった、てことでご容赦。
そんなのを他所に、先頭のツアコンさんは、裸足でザクザク歩いていた。それもまた極端。
状況に身を委ね、状況と同化しつつ楽しむ、それが人生を生きる術かもしれない。
お嬢さんにも、きっと、わかる時が来るはず、と何を上から目線で。