『100万回生きたねこ』。

100万回生きたねこ (講談社の創作絵本)

100万回生きたねこ (講談社の創作絵本)

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作者の佐野洋子さんという方が先日亡くなられたそうである。
この絵本の大ファンだったというヨメが哀悼の意を込めて購入してきた。
恥ずかしながら、私はこの佐野洋子さんという人も今まで存じ上げなければ、
この絵本を読んだこともなかった。惑いまくりの不惑前、にして今回初めて読んだ。
あかんね、こいうの。ヨメとも言ってたんだけど、もしかして子供ができても、
その子供に読み聞かせるなんて絶対でけへんわ。泣いてもうて、最後まで読まれへん。
こう書いているだけでも、少しウルウルきとるくらいやから。まさに大人を泣かす絵本、だ。
お読みになったことがない方で、興味のある方には是非ご自分で読んで頂きたい。
だから、詳細は書かないでおくが。読後の、なんともいえない感じを、是非お勧めしたい。
とり方は人それぞれなんだろけど。自分は、なんだろ、うまくいえないけど。
不条理がどうにも悲しい反面、自分の「場所」がみつかってよかった、大団円じゃないか、
そういう気もしてしまったのだ。涙も、悲しい涙と嬉し涙の両方が入り混じっている。
もしかしたら、我々もその「場所」を見つけるために百万の生を生きているのかもしれない。
ただその一回の「場所」のために。すべての生はそのためにあるのかもしれない、ね。
と、あんまりごちゃごちゃ私がいうたら無粋やな。あとは是非皆さんで。
お子様はもとより、大人の読み物としても、大々的に推薦したい。
末尾ながら、佐野洋子さんの御冥福を心からお祈り申しあげます。
そして、この絵本を世に送り出して下さったことを心から感謝します。