みちのく珍道中1「食べ物の恨み」。


ようやく食事にありつく。「せんべい汁定食」。

八戸・蕪島にて。眼前に広がるは太平洋。

うみねこ。アップで見ると怖い。
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例年の如く、夏の繁忙期の間隙をぬって、ゲリラ旅行を敢行した。
今回の旅先は、青森。奥入瀬十和田湖がメインであったが。
毎度の如く、面白い偶然が重なり、楽しい旅行と相成った。
8月8日。昼下がり。三沢空港に降り立つ。
野球脳の私はどうしても、三沢―松山商太田幸司―延長18回、
と短絡してしまう。いきおい、テンションは上がる(なんでだ)。
ここで車を借り、八戸市内を観光してから十和田湖へ向かうつもりだったが、
八戸まで食事を我慢するのはつらいだろうから、三沢市内で済まそう。
景品でもらった「すし券」があるし、せっかくだから寿司にしようよ、と。
三沢市内の評判の寿司屋、中でも、すし券使用可の寿司屋をリストアップする
気合の入れようであった。しかしここからの詰めの甘さも私らしく。
三沢高校の三沢、という興奮。そして突然の大雨などもあって。思考が停止していた。
慣れないカーナビ頼りに直接いちいち訪問。そして軒並み準備中、という憂き目に。
電話の一本でも入れとけば、という発想にならなかったことが悔やまれる。
バカとなんとかは使いよう。文明の利器も使い方次第では便利なんだかわからなくなる。
惜しかったのは、その中でも良さ気な店舗で。なんとかオーダーストップ前に到着し、
店内に入るところまではこぎつけた。眼前を美味しそうな寿司が運ばれてゆく。
腹の虫が鳴る。ところが一転、「すみませんネタがもうないんで…」と追い払われる。
おー、カウンターの中に一杯あるじゃんかよう!せめてその伊勢海老の頭でも齧らせろ。
と言えるはずもなく、泣く泣く店を背に。武士の情けでそこの名前は紹介しないが、
その店の名前は一生忘れんぞ。食べ物の恨みは恐ろしいのだよ。諸君。
結局三沢での食事は諦め、八戸まで我慢することに。最初から八戸で食事、にしとけば!
しかし、この混乱ぶりは、良いことももたらした。嫌というほど三沢市内を回ったので、
オボロゲながら三沢という町を知った気がする。思った以上に英語表記の看板が目立つ。
基地の町三沢、を感じた。地図を見ると近くに原発で知られる六ヶ所村もあるようだ。
いろんなものを地方に押し付けて日本は成り立っている。そしてそれに頼ってしまう地方。
全くゆゆしき問題ではある。八戸までの道中、車内でヨメとしばし問答。
八戸では、八食センターで食事。自分は寿司のついた「せんべい汁定食」、嫁は寿司を注文。
すっかり口が寿司になってしまっていた故。しかし三沢の寿司に比するとどうも…とまた怒り。
食後センター内をひやかす。東北独特の産物を面白く見物。旅先の市場はやはり面白い。
その後は、「うみねこ」で有名な蕪島へ。「うみねこをみよう!!」と、盛り上がる車内。
感覚的には、「ねこを見に行く!」、と錯誤していた。さすがに鳥だとはわかっていたが。
着いてみると、声だけはたしかに、ねこっぽい。しかし他に、ねこ的要素はない。当たり前だ。
いやいや。うみねこは神の使いらしい。そんなことを言ったらバチが。ありがたく観察。
海風を羽いっぱいに受けて滑空する「うみねこ」を見ていると、なんとも爽快だ。海も空も青い!
また、子供のうみねこの、飛行練習がまた面白く。おっかなびっくりの様子にエールを送る。
ひとしきり夕刻まで楽しんだ後、宿泊予定の十和田湖に行こうとナビに入力した。
到着予定時刻 …3時間半後????うそやろ???? さんざん三沢市内で苦しめられた
ナビをにわかには信じられなかったが。どうも本当らしい。いやはや、青森の広さをなめていた。
ホテルの食事の時間が気になり、十和田市から奥入瀬、そして十和田湖への道を急ぐ。
奥入瀬沿いの道では、嫁が時々歓声を上げるが、自分にはそれを楽しむ余裕もなく。
まあ、明日歩くから、そん時見ればいいか、と。ハンドルを握りなおす。
なんとも慌しく、食べ物に追われて過ぎた一日目であった。
すみません、次いつ更新出来るかわかりませんが。続きはまた、、、
蛇足ながら、「すし券」はまだ手元にあります。