ぶらり一人旅・和歌山ラーメン行脚1。


まずはアペタイザーから。

噂の「井出商店」。
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日頃ヨメが出張やら学会やら旅行やらで、遠出することがあり、
そのたびにお留守番、ちうことが多い私なのではあるが。
今回はリベンジ、とばかりに珍しく一人お泊りで出かけた。
近場で、かつ異国的で、グルメ(特にラーメン)が充実している場所。
という観点から、なんとなく和歌山を行き先に選んだ。
なんばから南海へ。阪急っ子の私は、よその私鉄の特急システムがわからない。
意気揚々と特急「サザン」の指定券を購入。後で知るが、自由席は無料なのね。
サザンの指定席は冷房がこれでもか、と効いており(乗客が少ないせいだろうか)
岸和田を過ぎた当たりからは、「さむい… さむい…」と呟き続ける。
もう少しで死にそうになるが、その前に何とか和歌山市駅に到着。
まずは腹が減っては戦ができぬ。。駅前の「角清」という店で「小鯛雀寿司」を頂く。
ここにも中華そばはあったのだが、ここは我慢で、胃袋にスペースを確保。
で、メインのラーメンへ、と意気込むところが。道中から悩んでいた。
和歌山ラーメンと言えば「井出商店」である。何度かテレビ番組で「日本一」と冠され、
和歌山ラーメンの名を全国に知らしめたその功績は計り知れない。
しかし、有名になって味が落ちたとか、あそこ並んで食うくらいだったら他にうまいとこが
なんぼでもある、とかとか。最近あまりいい噂を、少なくとも自分は聞かない。
何年か前、自分も一度訪れたことがあり、あまりいい印象を抱かなかったような記憶がある。
ただこの時は、前夜シラハマでしこたま飲んだ帰りで、体調が最悪だったこともある。
その土地で一番有名な店、ルーツとなっている店、には万難を排して行くべきなのだろうか。
プロ(?)ならば、やはり万全の体調の時に臨み、自分の舌で判断を下すべきか?
あるいは、嫌な思いをするかもしれへんのにそこを敢えて行く、ちうのは蛮行にすぎぬか。
なあ、君ならどうするよ?この状況、と誰に質問しているのだ。
とごちゃごちゃ考えながら移動しつつ、気付いてみたら店の前に並んでいた!
やはりすごい行列である。また、あとからあとから他府県ナンバーの車が店の前に停まり、
降りた人が行列に加わっていく。人気は相変わらずだ。悪い噂も一部的な中傷にすぎんのか。
並びながら思ったのは、並んでいる人に「リピーター」があまりいなさそうなのと。
あと、この「におい」だ。「これぞラーメンのにおい」と賞賛する向きもあるが、自分は否定的である。
そういえば、前来た時は、二日酔いにこのにおい、で死ぬ思いだったなあ、と思い出す。
長い時間待った後、ようやくありつく。「はやずし」や「ゆで卵」等のオプションもあったのだが。
ラーメンだけの純粋評価を果たすために、それらは泣く泣く我慢。で、結論としては。
正直、そんな敵視するほどまずい、ということも全然なく。むしろ、うまい部類だと思う。
ただ、なんやろ。炎天下観光客に入り混じって、長時間並んで食うラーメンじゃあないなあ、と。
寒い夜、仕事で疲れた帰りとかにふらっと、「ラーメンでも食うか」と汚いガラガラの店に入って、
人生の涙といっしょにすすると、「ちくしょう、結構うまいぞ」と。そんなラーメンではないか(何)
もともとここは、そんなとこから有名になっていったんだろうなあ。
そして有名になると、そういう元来の雰囲気が失われていく矛盾。
世界遺産などにも通じる、永遠の矛盾だ。ま、勉強になった、ということでヨシとしよう。
宿に帰って、すこし休んだあと、宿でもらった入浴券を手に、温泉施設へ。
汗を流した後、もう一回町に出て、少し一杯やって、シメにラーメンくったった(おい)
また汗だくだよ。流した汗をまた流す、お前が矛盾だ。
宿に戻る前、宿の隣にバーがあり、なんかライブをやっとったので、ふらっと入った。
ジャズかなんかと思い、聴きながらしみじみと夜更かししよっかな、と思ったら。
ごっつうメタル系かなんかで、鼓膜を破らんばかりの大音声。やられたぜ(掲示をちゃんと読め)
なんかガーガーいうたはるバンドやら。ロン毛のボーカルが連獅子のように躍り狂うバンドやら。
ま、こんなでもないと一生聴かんタイプの音楽やったから。これも縁かな、とひとり納得。
しかし、いまだに耳が、ぷかんぷかんするのよ。
いかん、あまり深酒すると、また次の日に(ラーメン的に)支障が。
というわけで、一日目、これにて解散!