ときめき・ふたりハイク2010[3]。


神戸電鉄に揺られること1時間。ようやく到着。

目指すは「小野アルプス」だ。

そろばんの町小野。加古川の欄干にも工夫。

れんげ畑に郷愁を覚えるのはなぜだろう。

この下は断崖。もう一歩踏み出す勇気がない。

命からがら降りてきました。一方、中腹で余裕ぶっこく女。

つつじのトンネル。山の春。
*****
ハイクを趣味とし、定期的に登っていると、登るネタがなくなってくる。
方向性は二つあると思う。ひたすら範囲を広げるか、リピーターと化すか。
それぞれに独自の楽しみはあるが、今回は前者のそれに従った。
「小野アルプス」。その響きに誘われた形だ。
言うまでもないことだが、小野といえば、小野ちゃん、である。
あなたはもう、忘れたかしら。小野ちゃんがドリフにいたの。
・・・・・
失礼。話を元に戻す。
およそ「○○アルプス」と名のつく所、「○○銀座」と同じで亜流は亜流。
そういう警告もあろう。ネットで下調べしたが「しょぼかった」との評も。
しかし亜流フェチ、B級フェチの私としては、やはり見逃せないところである。
また、小野−そろばん、三木−刃物、龍野−醤油、豊岡−かばん・柳ごうり、と
お題目のように覚えさせられた、かつての兵庫県小学児童としては、是非とも
小野−そろばん、いや、そろばん以外の小野を見ておきたかったのもある。
また蛇足だが、小学生のとき私は、「柳ごうり」というのを、「柳氷」であると。
即ち、「柳のカキ氷的なもの」であると思っていた。篠山市今田町名産の
立杭焼」を「立ち食い焼き」という食べ物と思っていたのと同様の、恥ずかしい記憶だ。
話がいつまでたっても進まないので、もう、強引に山に上がります(何)。
上がってみると、「しょぼかった」というのが嘘やろ?と思うほどのアルプスぶり、である。
いやはや、小野アルプス。侮れない。第一峰の紅山に上がるだけでもう、死にそうになる。
紅山からは、このハイクのハイライト、岩場降りがあると知識ではわかっていたが。
実際に見てみると目が眩む。アクロフォビアな私、ヨメの問いかけにもウツロとなる。
ただでさえ平常心が失われた状態なのに、加えて、山頂は何らかの訓練で来たとおぼしき
少年野球団でごった返していた。少年たちがチョロチョロ騒ぎ、またちょいちょい絡んでくる。
「ガキども黙ってくれ!」との心の叫びも届かぬ。半笑い半泣きの40前の男。
そこを、「ガキでも降りれるものを、大の大人が降りれぬわけはなかろう」と。
言ったるや、逆落としに落ちにけるや鬼神の如し九郎判官義経、じゃなかった男ムーラン。
と言うのは嘘で、ヨメの証言によると。「あんなへっぴり腰は久しぶりに見た」そうな。とほ。
極度の緊張と無理な体勢(昆虫のよう、とも言われた)がたたり、大腿四頭筋が悲鳴をあげる。
その後しばらくロボットのような動きを余儀なくされる。
第二峰の惣山(=小野富士)まではなんとか登る。ここからはひたすらアルプスを縦走する
予定であったが、時間の関係と、何より疲労のため、「今日はこれくらいにしといたるわ」と
本日の行程を終了。ただそれでも、山ツツジと山桜と、春の山を堪能できてよかった。
下山後タクシーにて(軟弱者)、地元温泉施設に直行。緊張でバリバリとなった筋肉を揉み解す。
そして、ちくわをアテに風呂上りのビール。最高であった。ただ。
この時ほど、家まで「ワープ」したい時はなかったかもしれない。
いやはや、加古川流れる小野市。帰りは一段と遠さを感じた。
かつてプロ野球阪神戦の中継で、延長に入ったとき、解説の福本豊氏が
加古川のヤツは帰られへんぞ」と言ったらしいが。その言葉を実感。
いや、これは逆であるか。