陥りがちな間違い/シナリオバスター君。

たまには現在の仕事のことなど。
この日記見てたらこの人、殆ど働いてないんじゃないかと思われそうだ。
仕事は概ね機嫌よくやっている。そらいろいろ不満はないではないが、
100%を求めるのは無理な話であって。いろんな側面をトータルで見れば
悪い仕事ではないのでは、と。しかしそれを良くするも悪くするも、
結局自分次第、ということなのだろうか。む。話がいまいち抽象的だ。
ま、繰り返しになるが概ね今の仕事は気に入っている。ただ、嫌いなのは
採点である。汝、裁くなかれ、とか。人が人を裁くなんておこがましいと思わんかね、
とか。何だかんだ言いわけして後回しにしてしまう。単調な苦行である。
ここだけの話、この日記は、採点からの逃避で執筆することが多いのであるよ。
そんな単調な中でも、クスっとさせられる瞬間があり時々楽しませてもらう。
そういう楽しみでもないとやってられない。また、長年やってると、皆がだいたい
陥りがちな間違い、てのパターンがつかめてきた。例えば。
「manifest: 約束」とか。約束が破られるのは明白なのだよ、諸君。
「devote: 棒げる」。知ってる。山での活動でしょ。だってワンダー…(以下略)
「indirect: 関節的な」。恐怖の竹ひご人間。筒井康隆の『関節話法』を読め。
「whisper: 吸う」。二倍の吸収力で、多い日も安心。って何を言わせる。
などなど、と。
こういう間違いリストはストックし、授業での小ネタにいかすのである。
(さすがにwhisperはドン引きが予想されるので、使えないが。)
ただ、そういう私のシナリオなど通用しないツワモノがたまにいるのである。
先だって、「Bread and butter is enough for my breakfast.」ちう文を
生徒に訳させて、自分のシナリオどおり「パンとバターは…」とやったので、
ここぞとばかり、したり顔で「あのね○○君。パンとバターってないんじゃない?
バターだけ食べる人はいないでしょ。じゃあどういうことだろ?」と説明しはじめたら。
「いや、自分はバター、生で食うっす」
と言われてしまい。ツボに入って、その後しばらく授業にならなかった。
これとは別に、毎年使っている長文に「sweet, little old lady」というのがあって、
ここで毎年、「このsweetを『甘い』と訳しちゃだめだよ。お婆さんを食うなよ。」と
ネタにしているのだが。彼にこう言ったら、どう答えが返ってくるか。ある意味怖い。
うっかり、現代日本にしていまだ生きるカンニバリズムの実践、というか。驚異であるよ。
今回機会には恵まれなかったが。残念なような、ほっとしたような。
*****
この前生徒アンケートで一人に、「先生の、まめ知識が役に立ちます!」と書かれたぞ。
こらそこ、「まめ知識」言うな。これも喜んでいいんだか、怒るべきなんだか。