土佐出会いの旅3「さあ八木裕が勝利を目指して」

三日目は、昨日の土砂降りが嘘のような晴天に恵まれた。
夜に仕事があるので、午前中には帰阪しそれに備えるつもりだったが。
この晴天はあまりにももったいない、ということで長尻を決めた。
目的地は、当然、安芸リベンジしかあり得ない。おおそうか。
昨日のブルペン見学でも充分満足であったが、やはり野球は青空が似合う。
この日はキャンプ訪問の何たるかを知った気がする。何時間でもいられそうだ。
帰りの時間があったため、ランニング→準備体操→柔軟→ダッシュ
→キャッチボール→トスバッティングまでしか見られなかったが、
それでも充分みどころはあった。ヨメともども大満足である。
ランニングの際の、一糸まとわぬ、もとい、一糸乱れぬ足並み(古典ネタ)。
それにはさすがプロ、と感じた。柔軟では、バレリーナが稽古でやるように、
フェンスに足をかけて伸ばす、ということをやらされていたのだが、
その時はなかなかできない選手が多く、バラバラとした感じが可愛らしく。
ダッシュでは、「こらー!!、秋山あ!!、もう一回やれ!!!」と
平田勝男二軍監督の怒号が響いた。今年のドラフト4位新人・秋山。
ドラフト時の会見で「上位でなくて悔しい」と、涙した骨のありそうな若者。
個人的に注目はしていたんだが。そこはまだまだ高校生。無理もない。
新人と言えば、別メニュー調整していた、ドラフト3位・甲斐が注意を引いた。
柔軟でも足がサッと上がるし、ダッシュもキャッチボールもキビキビしていて。
子供の中にひとりだけ大人がいるかのようだった。今年必ず出て来そうだ。
そして時は来た。我々は一塁側ベンチのすぐ上に陣取っていたのだが。
そこは狭い安芸球場である。2mほど先はもうグラウンド、なんである。
キャッチボールの時、腕組みしつつ静かに状況を見つめていた、かつての神様。
八木裕二軍打撃コーチ。その神様がゆっくりゆっくり、我々の方に近づいてきた。
実際にはベンチにいる球団職員と思しき人に話にきただけのようだが。
かつて神様と崇めた人が、半径5m以内に来ることの緊張ったらなかった。
ただ、見つめるしかなかった。声を出すことも忘れ、見とれていた。
そして私は「神の言葉」を聴いた。生まれて初めてナマで聴いた神様の肉声は、
*****
「トス(バッティング)も芝生でやるの?」
*****
であった。なんやそら。
ともあれ、練習見学の、そして二軍の楽しみを知ってしまった。
安芸にも今度は是非ゆっくり来たい。そして一度鳴尾浜にも行ってみようかな。
かくしてまた一歩オタクの階段を昇るムなのであった(もう充分やろ)。
おまけ。平田二軍監督の肉声も(上記の怒号の他に)聴いたぞ。
それは。
*****
「×××もう行った?( … 途中聞き取れず … ) あれ、おいしいらしいねー」
*****
であった。
何の話しとんねん(笑)