会津珍道中3「新旧グルメ対決」。

どんな旅行でも、「三度楽しむ」ということをモットーとしている。
すなわち、頭で楽しみ、肌で楽しみ、胃袋で楽しむ、のである。
「頭」に関しては、今までも述べたように、溢れる歴史を堪能した。
「肌」に関しては。やはり温泉である。
磐梯熱海温泉と、東山温泉という二種類の温泉に今回は泊まったのだが。
温泉成分をこれでもか、と吸収した次第。磐梯山同様荒々しい前者の湯。
そして、会津人の人柄を思わせる、やさしく包み込む後者の湯。
両者両様に良かったが、やはりここは尊敬する小原庄助(また言うか)
ゆかりの温泉でもある東山に軍配をあげたい。あ、磐梯熱海がだめ、
というわけでは全然ないのだが。風呂も料理も最高だった。
ただ、東山…は、適当な「鄙び」が自分にとってはよかったのだ。
好みの問題である。外湯めぐりが楽しめたのもよかった。わざわざ
寒い中浴衣掛けで外に出てゆき、遠い風呂に入り、寒い中凍えつつ帰る。
その無駄さ(笑)。こういう無駄こそ面白味を生む気がする。
最後に外せないのが、「胃袋」である。
旅館の料理では、福島牛や、鯉料理などいろいろ出てきたが、
自分的には会津名物「小づゆ」がヒットだった。

古来、新年や婚儀などの祝宴があると、この料理が振舞われたとか。
素朴なのだが繊細な味。会津の風土を充分舌で楽しめた気がする。
また、町中では。最近会津若松は「ソースかつ丼」を売りにしようとしてるらしい。
ソースかつ丼には非常に目のない自分ゆえ、早速トライした。

味の方は普通かな(偉そう)。自分的にはこの「つゆだく感」がマイナスだった。
「つゆだく」でいくならもう少しソースに一工夫あってもいいかなあ。
名物を標榜しようというなら、「もう少しがんばりましょう」かな(やはり偉そう)
しかしソースかつ丼、ライバルは多いぞ。この近辺では福井県が有名だし。
中部地方でも「ソースかつ丼発祥」を謳う地があったように記憶する。
自分としては「信州にスキーに行ったときの昼飯」という印象だ。
正確な歴史とか由来とかはわからないが。すべて雪国であるのは偶然か。
今回は時間がなく、喜多方に寄ってラーメンを食す、という当初の予定が
果たせなかったのが残念だ。麺党の恥。師匠、本当にすみません。(誰が師匠)
悔しいので御土産用のを少しばかり求め、家で作ったんだが。
それなりに旨かったが。やはり喜多方で、喜多方の空気を吸いながら麺をすすらないと
意味がない。大きな宿題が残ってしまった。
ラーメンもまあ大事だが(笑)。自分の中で何を大事とし、何を守るべきなのか。
それも会津が教えてくれた大きな課題である。それをよくよく考え、次には
また違った自分になって再びここを訪れたい。(完)

雪の飯盛山