『坊ちゃん』。

坊っちゃん (新潮文庫)

坊っちゃん (新潮文庫)

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年末に旅行を計画しており、現在それを支えに生きている(大袈裟)。
今回の旅先は、会津である。東北にいきたいね、と前から言ってたのだ。
秋田・青森・仙台・平泉、と候補は多々あったが、まずは入り口から、と。
城フェチとしては、鶴ヶ城は一度是非見ておかなかればならないだろう。
また、根っからの判官贔屓として、会津最期の戦いにはひきつけられる。
ヨメはよく、「黒い洋服を着て太鼓を叩きながら攻めてくる軍隊」に
苛められる夢を見るらしい。もしかしたらヨメの前世が呼ぶのかもしれん。
(私は、座敷でじいっと座っている夢をたまに見る。現実が混ざってる気が)
少し寄り道だが、麺党としては喜多方ラーメンもはずせないところだ、
と楽しみは尽きないが。
より旅行を充実したものとするため、今は「仕込み」の時期である。
その一環として、冒頭の本を思い出した。自分の中では代表的会津人といえば、
「坊ちゃん」の良き相棒である「山嵐」である。彼にまた会いたくなったのだ。
しかし25年ぶりくらいの出会いは、なんだかかえって新鮮であった。
子供の頃読んだ印象は、「勧善懲悪」「痛快活劇」というものであったのだが。
子供の頃はやはり、子供の読み方をしていたんだな。自分の無限の可能を信じていた、と。
今読んでみると、非常に物悲しい感じがした。結局「赤シャツ」と「野だ」が
一杯のこの世であるが、それだけに「赤シャツ」と「野だ」の悲哀がわかる気がする。
やはり「坊ちゃん」には「清」が全てだったのだなあ。その「清」が亡くなった後は…
また「山嵐」は会津に帰ったのだろうか、その後は… 苦労したんかな…
今回の会津行きで、「山嵐」の影が少しでも垣間見られれば幸いだ。
それは、自分の影を見直す旅であるのかもしれない。とは、よくわからんカコイイ台詞。
他にも、歴史小説のひとつでも読んでいくつもり。何がええやろか…
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関係ないが、改めて読むと、「坊ちゃん」の松山評は本当にひどい。
愛媛県では発禁処分にならないのが不思議だ。それどころか、
坊ちゃんスタジアム」と冠にまでしてしまうのは、懐が大きいというのか…
あと「マドンナスタジアム」もどうよ。ウラナリ君の立場は。