加賀百万石珍道中1「待てど暮らせど」。

連休に(言っても、私にとってはただの休みだ)、金沢へ行って来た。
短いが、毎度ながら充実した訪問となった。見るとこない街などないのだ。
ヨメが毎年恒例美女軍団温泉ツアー於山代温泉(お世辞)に土曜から出かけていた。
私も股に挟んで(は?)参加してもよかったのだが、部分的に便乗するに留めた。
日曜は慣れぬ早起きをして、早朝のサンダーバード号に乗り込む。
サンダーバード、この地球のヒーロー、の歌が脳内を巡る(お約束)
爆睡するうち、金沢着。ホテルで荷物を始末した後、ヨメと行きそうなところを
外しながら、ひとり散策。後の集合場所である近江町市場を横目に、お堀端を周回、
お城と兼六園の間を通り、さらに進んで、犀川のほとりに出る。

犀川は、かの室生犀星ゆかりの地。川辺に佇み、思いを馳せる。
私も、詩のひとつでもひねりたくなるが、何も出てこず。
室生犀星記念館も訪れたくなるが、時間を考え今日は通過。中心街へ足を戻す。

途中、「利家とまつ」が祭られる(駄洒落のつもりではない)尾山神社を通過。
和漢洋折衷の作りが面白い。ここで二日目に事件が起こるとは、この時知る由もなし。
ヨメ一行との集合場所、近江町市場に到着。兎に角の人大杉、車大杉ぶりに驚く。
車で来る一行は、こりゃ大変だぞ、と心が痛む。痛むが自分には何も出来ない。
これも「高速1000円」の影響か。後で聞いた話だがもともと金沢は駐車場が少ないらしい。
戦争のようにごったがえす海鮮コーナーは避け、外れの野菜とか売っているところを冷やかす。
長時間待つ。待つのは構わないが、車内に閉じ込められた一行の身を案ずるものである。

ようやくヨメ一行到着。「百万石丼大盛り」をかっ込む。極楽。
インドかどっかの修行で、思い切り体を痛めつけた後の開放感から悟りを得る、て話を思い出す。

ヨメだけ残し、一行は帰路へ。見送った後、兼六園のライトアップへ。
それはそれで趣があったが、暗くてよくわかんないな、という感想だ。写真も撮ったが、
やはりよくわからん。

夕食は、片町でおでんを頂く。B級グルメ博の出店リストに「金沢おでん」というのがあったのが
頭の片隅に残っていた。B級好きとしては、やはり外せないところ。自分の知るおでんに比べて、
やさしい味で、なんぼでも食べられる、という感じである。おでんはネタを選ぶ時の
「イベント性」が楽しい。「くるまぶ」と「はべん」(写真手前)が自分的にはヒット。
種々のおいしいネタに杯はすすむ。
駅前の安宿には、荷物を預ける時は外観に少しひいたが、内装は思いの外しっかりしていた。
お風呂が手狭なのがなんだったが、近くに銭湯があったのでそちらを利用し快適だった。
ただ、番台のオバちゃんのボスキャラぶりには閉口した。
そのボスキャラに対し、あまりにも粗末な武器しか持ち合わせていない自分が悲しかった。
恥の極み、思わず股に挟んでしまいそうになった(そこに話戻すか)
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<本日の詩>
男といふものは
みなさん ぶらんこ・ぶらんこお下げになり、
知らん顔をして歩いてゐらつしやる。
えらいひとも、
えらくないひとも、
やはりお下げになってゐらつしやる。
(後略)
           室生 犀星 『夜までは』 より


本日は誠にお粗末様でした。
あ、いつも、ですか。