共存共栄の道は、、、

前にも書いたことがあるが。
家から駅への通勤途上で一日一回「幸せ」を感じるスポットがある。
青い空を仰ぎつつ、こんもりとした森を横目に、坂をどーっと降りていくところ。
森は春には生命力を、夏には涼を、秋には趣を、冬には温かみを与えてくれる。
坂の入り口には、ラブリーなラブラドールちゃん(しまった駄洒落だ)もいて。
森は鎮守の森の名残というか。どの木も大人二人がかりでも抱えられない程立派。
おそらく何年も何年も何年もそこにあって、この町と人の移ろいを見てきたのだろう。
その森が、その「幸せ」が、今危ない。
マンションの建設計画があるらしいとは前々から聞いていたが。ついに動き始めた。
今度住民説明会があるらしく、年明けには工事がはじまるらしい。
建設の詳細はまだわからないが、敷地に立っている計画図を食い入るように眺めると、
一角に公園を作るらしくそこに「既存樹木」とひとつだけ記してある。これって、、、
一番手前の一番立派なやつなんだが、それだけ残して、他みんな切ると言うことか?
もしそうだとしたら、残念なことこの上ない。こんな立派な木々、そうそうないのに。
切らないで欲しいなあ。何とか、百歩譲ってマンションを建てるとしても、
現状をうまく活かした形で建てて欲しいのだがなあ。
豊かな景観は、出来上がるには途方もない時間がかかるが。失うには一瞬、である。
そんな感傷論も確かにあるんだけど。業者にとっても、森は財産と思うのだが。
緑いっぱいの森の中のマンション、て素敵だ。自分ならば絶対買うと思うが。
でも「景観をよくする」ためには、そうもいかないんだろうかなあ。
で、「T塚の素晴らしい景観があなたのもの」とかって売るんだろ。あほか。
この不景気のご時勢、そんなどこにでもあるマンション、誰も買いまへんで。
それでも買う人がいたとして、その「新住民」に対してどう接したらいいのか。
森が残るなら「あの森のマンションの人(↑)」という気分になろうが、
残らないなら「あの森のマンションの人(↓)」てなってしまうかな。
うっかり、ガン見とかしてしまうかもしれない。いけないことかもしれないが。
ま、新住民に罪はないわけなんだけど。
私ら自身、森を切り開いたところに住んでいるのかもしれない。確かにそうだ。
またこの森の景観に対して、私らは「フリーライダー」に過ぎないのもわかる。
そしてこのご時勢、これだけの土地を遊ばせておく手はないのも理解できる。
ただ、そういう正論を置いても、あまりに残念なので、ぶちまけてしまった。
もう一回言う。切らんといてくれ。そして大事にしてくれ。
「あなたの」豊かな財産を。
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<本日の言葉>
「すでに予が斧初めの刃を入れた。もし木の精が祟るなら曹操へ祟るだろう。
 もう心配はないから恐れずに伐れ。」  『三国志』より

そのあとどうなったか、、、 こういうの怖くないんだろうか、業者。