怪奇現象を読み解く2。


もうひとつ、我が家の怪奇現象。
我が家では、睡蓮鉢でメダカを飼育している。
以前のマンションに住んでいた時、「ビオトープ睡蓮栽培セット・メダカつき」
なるものをヨメが通販で求めたのがきっかけである。どうやって運ばれてくるのか
疑問で仕方なかったが、うまい具合にビニル袋に水とメダカを入れた状態で届いた。
このいわゆる「第一世代」では病気が蔓延し、十数匹いたのが、一匹を残して皆、
死んでしまった。ただ、残された一匹はなかなか丈夫で、今なお存命である。
また、残された卵を別に取り大事に育てた結果(気をつけないと親に食われる)、
「第二世代」は元気である。十匹前後が「親」を取り囲んで賑やかに生活している。
また、一匹白っぽいのがいて、この通称「アルビノ君」は我々のアイドルである。
そして、このメダカたちは、我々と共に引っ越すという一大イベントを乗り越えた。
「メダカ引越し作戦」は、苦労した引越しのハイライトであった。(苦労に輪をかけた)
そしてまた春が来て、卵が目立つシーズンとなった。また親に食われないように気をつけ、
別の鉢に移し(写真手前)、「第三世代」としての繁栄を期待した。一時期は子メダカが
何匹も鉢に目立つような状態となったのではあるが…
なんと不思議。何匹もいた「第三世代」は、ある日気づくと煙のように消えてしまった。
何の痕跡も残さず。死体すら、である。茫然自失の我々であったが…
これも原因を考えてみた。
1―共食い。(…最後の一匹が残るはずだ。)
2―貝の幼生、虫の幼虫、なんらかの他の生命体に食われた。
3―病気か何かで死んだあと、死体が分解された。(一番ありえそう)
4―隣の鉢のメダカが「出張」して食っている(どうやって)
5―次元の狭間に吸い込まれた(おい)
6―宇宙人がサンプルとして…(もおええやろ)
これもぐぐってみたら、貝に食われるということは、よくあるらしいし、
メダカは共食いする、というのはデフォルトらしい。生き残った親世代もそうなんだけど、
このメダカというのは、穏やかそうなイメージだが、すごく攻撃的で、獰猛なんである。
川の中のメダカの学校には、受験戦争も苛めも存在するわけである。おおなんと夢がない。
そんな水面下の喧騒など関係なく、水上では睡蓮が美しい花を今年もつけているのである。
なんか示唆的だ。そして、睡蓮は晴れていようが雨だろうが毎日きっかり正午に花開くのだ。
これも身近に存在する神秘である。私たちが思っている以上に世の中、わからないことだらけ。
そうなのかもしれない。
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<本日の言葉>
「よっしゃ、今日はこれぐらいにしといたるわ」
             池乃めだか師匠


芥川の『蜘蛛の糸』にしようとも思ったが。思い直し。