08ワールドシリーズ展望。

2008年のワールドシリーズは、フィラデルフィア・フィリーズタンパベイ・レイズの勝負と決定。
リーグCS出場四チーム中(あと二つはBOSとLA)一番地味な組み合わせとなってしまったが。
ところがぎっちょん、なかなか興味深い顔合わせではある。少なくとも筆者にとっては(笑)。
かたや、フィリーズは「伝統の駄目チーム」である。
創立は1883年と古く、同一の名で存続しているチーム中では一番の伝統がある。
しかしワールドシリーズを制したのはわずかに一回こっきり。100敗したシーズンも数多く、
23連敗という、不滅の連敗記録を大リーグ史に刻んでもいる。
そのたった一回の栄光も、主力選手のピート・ローズが賭博問題で永久追放となるなど
ミソがついてしまっている。圧倒的な勝負弱さを誇る、なんとも暗黒臭漂うチームである。
かつては、主力選手の殆どをアスレチックスに引き抜かれるなど、雰囲気・歴史とも、
わが邦の阪神タイガースに酷似している気がする。
こなた、レイズは、「新鋭の駄目チーム」ともいおうか。
創立は新しく、1998年。アリゾナダイヤモンドバックスとともにリーグ拡張で誕生。
当時はタンパベイ・デビルレイズという名でスタートした。しかし、創立後いきなり低迷。
同時に誕生したアリゾナが、創立四年ではやばやと世界一となるのを横目に、苦しい戦いを。
さらに悪いことに、ホームタウンのタンパベイは、あのヤンキースのキャンプ地でもあり、
ヤンキースファンの多い土地柄。低迷ともあいまって球場はガラガラ。経営も苦しくなる。
苦しんでいる新鋭、しかも伝統チームファンの多い地元住民への対処、という意味では
こちらは、日本の東北楽天ゴールデンイーグルスと重なる。
伝統の駄目さか新鋭の駄目さか。阪神楽天か。こうして見ると、このシリーズは面白い。
かたやフィリーズは、ハワード、アトリー、ロリンズ等の中軸打者の破壊力で勝ったチーム。
往年の猛虎打線がオーバーラップする。また、「米国の岩田鉄五郎」ことモイヤーさんの
老獪なピッチング。また、CSでも代打本塁打を放ったさすらいの仕事人・ステアーズ(元中日)。
渋い魅力が満載である。また、久保田も真っ青の劇場型クローザー、リッジからも目が離せぬ。
こなたレイズは、シールズ、カズミア、ガーザなどの若い投手陣を中心とした守りのチーム。
野村さんも、マー君や岩隈を中心に、こんなチームにしたいんやろな。
あとここにきて、二番アプトン、四番ロンゴリア等の若手打者が元気である。
ロンゴリアに至っては、なんとルーキー!それこそチームシンボルであるエイのような躍動。
抑えのパーシバルが出ないのは残念であるが、今日見てた最後の左腕、名前忘れたけど。
あれもええでええで(上田さん)。ほんとに、若手のいいのがどんどん出てくる。
これも完全ウェーバーのドラフトが奏功してきたということなのだろうが。
日本も見習うべき部分が多いと思う。
田口や岩村も楽しみではあるが、こういうところも皆さんに楽しんで頂きたい。
蛇足ながら、筆者は今夏レイズをナマで観たので親しみがわく。(相手を応援してたくせに)
あと、レイズ躍進の原因。ドラフトもそうなんだけど、今年から「デビル」を名前から外した
「改名」も大きな要素なのかも。阪神もタイガースやから負けてるんちゃうやろか。
いっそ正しく「タイガー『ズ』」にしたまえ。あるいはイガー=井川でゲンが悪いから、
阪神タスにするとか。て、与太与太話失礼。