白夜行。

白夜行 (集英社文庫)

白夜行 (集英社文庫)

一部で不評の書評だが。ここに書くことが、私の読書への
強烈なモチベーションとなっている故、ご容赦いただきたい(笑)。
まず、率直に。
重い本だった。解説入れて862ページ。カバーもかけられへんし。
カバンに入れるのも苦労するいうねん。二、三巻に分けて欲しかった。
いや、そういう物理的な重さではなく。ねえ。読んだ人は多いと思うけど。
悪とは何か、について深く掘り下げた作品だと思う。
ネタバレするから詳しくは書けんけど、あの最後なあ。雪穂のあの台詞の意図。
あれをどうとるかで、この小説は救いの話なのか、地獄も地獄なのか。分かれる。
あれは究極の愛の言葉なのか、悪魔のささやきなのか。どうだろ。
男としては前者と思いたいが。女の魔性というのもわかるので。うむ。
この女の魔性とやらはよく学んだ。通信教育で、やねんけどな(は?)
作者はこの重いテーマを我々に投げ出し、トンズラ。ずるすぎる、と思っていたら、
続編ぽいのがあるんすね。これは読まなくては。てこれ、作者の思うツボなのか。
しかしまあ、男も女も、アホなんですな。付け入るスキだらけ。
しかしそのアホさが救いなのかもしれん。全てを知り、全てを得た後、人はどうするのか。
・・・・
と話がまた大きくなりそうなので、卑近なネタにもどすと。
この19年という長い歳月を扱った小説。作者は時代を表すのに、様々な小細工をしているが。
ダイヤル電話がプッシュホンとなり、ポケベル(死語)から携帯へ。その辺の変化が楽しい。
長島引退→ヤクルトV1→阪神フィーバー→東京ドーム開場、といった情景を効果的に
使っているあたりも、オタクとしてはありがたかった。ただ、、、パリーグも扱ったれよ。
てゆうか布施て近鉄沿線やろ。近鉄を全くスルーしていいのか? と抗議もしたい(黙れオタク)
ドラマ化もされたそうだけど、ドラマではこの辺、どう扱っていたのか興味深い。
てゆうかスルーかな。しかし、読後にいろいろなサイトを回ってドラマについても知ったけど。。。
あの場面を最初にもってきたらあかんやろう。これじゃテーマもへったくれもなくなってしまう。
あとキャストもなあ、、、 セカチューペアでは、、、もう少し、ギラっとした感じだけどな。
ああ、このペアにあわせて脚本を作り変えた、と。そうとも考えられるか。
まあ、ドラマと小説は別物、ていういい典型か。
・・・・
以下のフレーズは私の一番心に残ったやつですが。
極度にネタバレしますので、反転させときます。
ネタバレOKの方は、ドラッグしてみてください。


「俺の人生は、白夜の中をあるいているようなものやからな」