反骨精神。
- 作者: 多和田葉子
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2006/11/01
- メディア: 単行本
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読んでいるわけなんだが。内容は面白いのだが、どうにも我慢ならないことが。
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・あなたは見た。十ドル札を受け取って、切符と思われる紙切れを渡してくれる
青年の手のひらの甲の色は、手のひらの色よりずっと濃い。
・カウンターで、あなたは口の中にたっぷりとつばきを湧かせて、
チーズ・ハンバーガーという言葉を注文した。
・「パレスチナってネーションでしょうか」とあなたは尋ねた。
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主人公を二人称にするのは、あざとい。こういう箇所を目にする度に、
バカヤロウ、見るかどうかは俺が決める。勝手に人の視線を動かすな。
俺はチーズバーガーは嫌だ。フィレオフィッシュを食わせろ、とか。
あほか。俺はそんなこと聞かない。そもそも面倒くさいから隣の人に話しかけない。
と、自我との強烈な軋轢に潰されそうになる。
この筆者、これを狙ってやっているならば、ますますあざとい。
あんたが非道だよ、と言ったら言い過ぎか。
知らずにやっているならば、よっぽど素直な読者を想定しているのか。
根がひねくれているムにとっては、まさに一行一行が苦痛である。
この苦痛から逃れるためには、本を閉じるしかない。で、挫折寸前。
自分の内なる反骨精神を、心底恨むものである。でも読まねば。。。
え? その反骨をボスに示せ、ですか。むむぅ。それは。