雪国。

雪国 (新潮文庫)

雪国 (新潮文庫)

「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。」
正直、「二行目から読んでねえけどな」、という本であった。
今回『真田太平記』の中継ぎとして読んだ。川端先生を中継ぎに使う失礼をお許し。
いや確か昔に読んだはずなのだが。中学校の読書感想文で題材として選んだのだ。
理由は「薄っぺらかったから」である。いやはや、全く、何を読んでいたのか。
何を書いたのかは忘れたが、「雪国でした、おおそうか」というレベルだったのだろう。
てゆうか、この本、中学生の課題図書に入れるなよ、という感じだ。
美しい風景描写の向こうに見え隠れする、ドロドロした人間心理。
そしてなんとも言えぬエロティシズム。あ、これは私の深読みに過ぎないかもしれない。
私の頭がそんなんで一杯だからかもしれない。
ともかく今回も発見、発見の連続であった。他にも一行目しか読んでいない本が一杯ある。
吾輩は猫である、名前はまだない」とか。
「きょう、ママンが死んだ。もしかすると、昨日かも知れないが、」とか。
うきょう。また自らの「課題図書」が増えてきた。まあ、嬉しい悲鳴ではあるが。