2014ブラジルW杯。

サッカー・ブラジルW杯も、早いものでもう決勝を迎えた。
ここであまり取り上げていなかったので、興味がなかったのか?と
思われそうであるが、とんでもない。観まくっていましたよ。
ただ、寄る年波には勝てず。「午前1時の部」と「午前5時の部」の
「二本立て」は基本無理で。どちらかを諦めねばならなかった。
ブラジル―チリ1時、コロンビア―ウルグアイ5時の日は迷ったが、
後者を生観戦し、前者は録画→情報完全の後缶詰状態で観戦、
と目論んでいた。一番の難関は、後者の試合中に結果を言われてしまう、
ということであったが、それはなんとか事なきを得、安心して仮眠。
ところが、起きて「さあ録画を観よう」とテレビをつけた瞬間、
ブラジルのユニフォームを着たデーブ・スペクターが大写しとなった。
それにより、なんとなく結末がわかってしまい、観戦に支障をきたした。
デーブのしたり顔が、なんとも憎々しかった。案じるより横山やすし
それ以前に、録画リストを開いた時点で、延長になることがわかってしまう。
それも微妙で。(NHK中継の場合、延長はEテレなので、その枠も予約。
延長に入っていたらそっちの方も「ワールドカップ」と表示されてしまう)
あと、録画観戦では「早送りの誘惑」が最大の敵となる。単調で退屈な時間も
サッカーの魅力のひとつであろうが、早送りができてしまうと、耐えらえない。
コスタリカギリシア戦は基本4倍速で観たので、チャカチャカしてる時間が、
延々と続き、たまに大騒ぎするという以外は、なんかよくわからなかった。
よしやはり生観戦だ!と、8強の4試合はダブルヘッダー観戦×2を決意。
ところが、1日目ドイツ―フランス、ブラジル―コロンビアにおいては、
前者の試合中ウツラウツラしてしまい、肝心なところを観のがす始末。
翌日のアルゼンチン―ベルギー、オランダ―コスタリカに関しては、
起きたら朝七時であった。あかんね、もう若くないね。延長からは観たけど。
いろいろ観た中で、自分の中でのベストゲームは、決勝トーナメント1回戦、
ドイツ―アルジェリアである。まさに死闘、であった。延長に入って、
足がつる選手が続出。ピッチに倒れ込んだ選手がいる中、試合が続行される。
千載一遇のチャンスに、アルジェリアFWが鬼の形相で抜け出そうとするが、
あえなく機を逸す。FWはもう立つことすらできず、顔をしかめて蹲る。
非情にも点を重ねるドイツ(非情に、というのがまさに似合うチームだが)。
2点目が入った時はアルジェリア選手はさすがにがっくり肩を落としていたが、
それも一瞬。最後の最後に意地の反撃で一矢を報いる! 朝から涙してしまった。
コスタリカギリシア、ナイジェリア、スイス、ベルギー、敗れたけれど好チーム。
そしてコロンビア。身贔屓ではあるが、とてつもない将来性を感じさせた。
勝ち上がったチームに共通しているのは、しっかりとした守りに支えられた安定感と。
何が何でも勝ってやる!という気概であったろう。ブラジルは、その守りの支柱と、
気概の支柱を失った時、既に崩壊してしまったんではないか。
翻って我が国、日本であるが。後講釈をいくらしてもきりがないけど、少しだけ。
「自分のサッカーをやれば勝てる」と戦前は誇り、「自分のサッカーができなかった」
と敗戦後は泣く。「自分のサッカー」とは何か。イタリアであれば、カテナチオ
スペインであれば、華麗なパス交換。ドイツであれば、ゲルマン魂。即座に浮かぶが。
日本の自分のサッカーとは?ぴんと来ない。そもそもそんなものはなかったのでは。
ないものに縋る姿は、「STAP細胞はあります!」という叫びと変わらない気がする。
また、長期のリーグ戦ならまだしも、W杯は短期決戦である。残念であるが、
各国とも「自分のサッカーをやる」というよりいかに「相手にサッカーをさせない」かで
動いているし、それによって結果を出しているチームが多そうである。特に今回は。
強いて言えば、日本はそちらの方が得意なような気がする。情報分析力、スカウティング力、
それを強みにせねばならんのではないか。その意味では、日本人監督の方が、実はよいかも。
あと、「金儲け、そんなに悪い事ですかねえ」と言った人はいるけど、同じ口調で、
「守りのサッカー、そんなに悪い事ですかねえ」と言いたい。弱者が強者を倒すのは、
それしかない。日本は今回、コロンビアとの差にショックを受けたという向きが強いけど、
むしろギリシアとの差を意識すべきでないか。サッカーでは勝っていたが、勝負に負けた。
彼らは成功し、我らは失敗した。それは何故か。コロンビアを目指すよりはよほど近い。
しかしまあ、「キープ」を知らず出場を逃した米国大会、出るだけに終わった仏国大会から
考えたら、格段に進歩はしてきているんだろうけど。その後は…
→やはり体力で劣る日本は、組織と守備重視で闘わねば→日韓大会・ベスト16
→守備重視では限界がある、やはり攻撃と個性が大事だ→独大会・グループリーグ敗退
→やはり体力で劣る日本は、組織と守備重視で闘わねば→南ア大会・ベスト16
→守備重視では限界がある、やはり攻撃と個性が大事だ→ブラジル大会・グループリーグ敗退
→やはり体力で…(←今ここ!)
この永遠のサイクルだ。あ、この組織と個の間の揺らぎこそ「自分のサッカー」ですか(毒)。
順番通りいけば、次はベスト16の番なのだろうが、それ以上を目指すには、やはりこの
悪循環を壊す何かが必要なんかもね。気合い、もその一つだろうが(笑)。
今はその気合いもあらへんからね。
しかしまあ、この日本代表を、成田で出迎えて拍手を送るかね。ま、皮肉とすれば面白いけど。
素で声援を送っているとすれば、なんなんかな、と思う。ただこき下ろすだけなのも微妙だけど、
やっぱ、糺すべきとこは糺さないと、進歩がない。
言葉が過ぎたかもしれないが、日本代表がいつか優勝する日を夢見る者として、敢えて。
失礼、後講釈、少しですまなかった。
ま、日本は日本として。明日の決勝は楽しみたい。
マラドーナからサッカーに入った者としては、ドイツ―アルゼンチンてやっぱ、黄金カードだから。
わくわくすることこの上ない。明日は最後の時差起床である。果たして起きられるのか。
自分にとっても最後の戦いだ。