『続・悩む力』。

続・悩む力 (集英社新書)

続・悩む力 (集英社新書)

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最近いろいろ煮詰まってて、少し前、思わずここでも心情をダダ漏れさせてしまった。
書いてしばらくして、我ながらあまりにもイタいな、と思い返し消去した次第。
あるいはそれをご覧になった方もいるかもしれない。ご心配頂いた方や、気分を害された方も
その中にはいるかもしれない。その方々には、この場をお借りして、深くお詫びしたいです。
その中でも触れたが、書店でふらっと手を伸ばしたのがこの本。前にここで取り上げた『悩む力』の
続編である。自分の中のもやもやしたものに、いちいち答えが与えられているようで、いい読書だった。
こういう、「本が向こうからやってくる」ということは、自分の場合よくあり、不思議な感覚だ。
『続・悩む力』を読み終わり、この日記を書くに当たり、その前にここで『悩む力』を取り上げた時の
自分の文章を見返したが、やはりあまりにもイタくて、顔から火が出る思いで、消去したくなるほどだが、
まあ、そういうふうに恥ずかしくなるがこそ、成長の証、ということで、恥を忍んで残しておくとする。
本書は、前作と同様、夏目漱石マックス・ウェーバーを引用しながら現代社会の病理に新たな光を
当てていく、というものである。ただ、前作と本書との間には、東日本大震災の発生が横たわっている。
「震災前」と「震災後」で起きてしまった、パラダイムの変換。それこそが実は現代社会の縺れた糸を
ほぐす機会となりえるし、また、そうしなければならない、というのが筆者の一番の強調点と思う。
本書の一字一句すべて印象的なのであるが、特に心に残った個所を三つあげるとする。
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「…人は生死の境をさまようほど心を病み抜いたときに、はじめてそれを突き抜けた境涯に達し、
世界の新しい価値とか、それまでとは異なる人生の意味といったものをつかむことができるというのです。
…『健全な心』で普通に一生を終える『一度生まれ』よりも、『病める魂』で二度目の生を生き直す
『二度生まれ』の人生の方が尊い…」
自分の場合、「何度も中途半端に生まれ」なんかもしれんなあ…
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「人間の真価のその一。それは何かを創り出す『創造』です。…
 人間の真価のその二。それは、『経験』です。…
 そして、人間の真価のその三。それは『態度』です。…」
自分の悩みは、すべて「創造」の域を脱してなかったのではないか。ほかの二つの側面から
自分を眺めれば、また見え方が変わってくる。また、ほかの人を見る見方も変わってくる、というものだ。
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「私たちの人生は、ほかならぬその人生から発せられる問いに一つ一つ応答していくことであり、
幸福というのは、それに答え終わったときの結果にすぎないのです。ですから、幸福は人生の目的ではないし、
目的として求めることもできないのです。つまり、幸せをつかむために何かをやる、という考え自体が
本来的に成り立たないのです。」
ここにビリビリ感じ入るが、考えてみれば、何度もこの種の言葉は目にしたし(前作でも)、そのたびに
感動し、それを忘れてきた(苦笑)。何回もつきつけられるちうのは、それだけ自分に特別に向けられた
メッセージなんやろね。どっから投げかけられてるんかは、わからんけどね。
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と、またイタいこと書いてますが、これは、恥を忍んで残します。同じことの繰り返しですが、
サザエの渦巻きみたいに、上に上ってってることを信じます。