ベトナム・ハノイ珍道中1「ベトナムの洗礼」。

ベトナム旅行から無事(?)戻って参りました。
ベトナムに行った人ははっきり二種類に分かれる、といいます。
「二度と行くか、ボケ!」と、大大大嫌いになってしまう人。
他方で、うっかり永住してしまいそうになるほど、ハマる人。
自分は…、どうかな。前者三割、後者七割、という感じですわ。
て、はっきり分かれてへんやん、というツッコミはさておき。
旅行記、スタートします。ただ、またまた膨大に書くことがあるので、
ぼちぼちやっていきますので、宜しくお願いします。
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8月16日。
関空からの直行便は、ハノイ・ノイバイ空港に着いた。夏期労働の疲れが取れず、
飛行機の中で、ベトナム予習のオサライをするつもりが、爆睡してしまった。
そのツケを、いきなり払わされることとなる。のは秘密である。て言うてもうたがな。
イミグレーションを通過し、出迎えのエージェントでごった返すコンコースを縫って、
空港の外に出ると、むっとした熱気と、タクシー?と寄ってくるオバハンに取り囲まれる。
ふふふ、その手には乗らぬぞ。旅行者のバイブル『地球の歩き方』で既にチェック済み。
タクシーは市内まで約15米ドル(25万ベトナムドン)、しかもボラれるリスクありだ。
我々はミニバスを利用すると決めていた。それなら市内まで2米ドルしかかからない。
また、2米ドル追加すれば、ホテルの前まで立ち寄ってくれるとのこと。安心かつ合理的だ。
なおもタクシー?と攻めてくるオバハンに、ノー、ミニバス!と反撃すると、オバハンは
「ミニバス?一時間半くらい待たされるよ?タクシーの方がいいよ?」とタタミかける。
『地球の…』には、待ち時間は30分程度とあった。何サバ読むかオバハン、と振りきる。
と、別のお姉さんがミニバスまで案内してくれた。ロータリーの隅にそのバスはあった。
どう見ても大門刑事部長やろ、という昭和テイストなサングラスに角刈りの運転手が迎えた。
大門にホテルを告げると、「オーケー、フォーダラーズ」と返答。一応確認の意味で、
各々4ドル?総計4ドル?と尋ねると、少し間があり、「エイトダラーズ」と大門は答えた。
この「間」が、あとから考えるとおかしかった。まあ、あとからなら何だって言えるが。
あと、あたかも「我々が」交渉したかのように書いているが、殆どの交渉はヨメ任せであった。
サバイバル能力に加え、瞬発力とエネルギーの差に、いつもながら改めて愕然とした次第。
結局は40分ほど待たされた後、バスは出発した。ちなみにバスは満員になるまで出ないのだ。
それにしても大門の運転は凄かった。あとの写真が示すように道路はバイクだらけだったが、
そのバイクを警笛で蹴散らしつつ果敢に攻めていた。まさに西部警察そのものな感じ。
あっという間に市内に入りそして、いかにも瀟洒なホテルの前で停車。何人かがそこで降りた。
代わりに乗って来たのが、これまた、スネ夫そのものな風体の、胡散臭い男であった。
人は見かけで判断したらいかんいうけど、実際、見かけで判断できる部分が大部分な気がする。
スネ夫は近付いてきて、「もっといいホテルを紹介するからそっちにしろ」的なことを言ってきた。
いやもう予約してるから…、と拒絶すると、ちょっとそのホテルは道が狭くて行けないから、
皆が降りるところで降りて、あとは歩いて、みたいに言われた。ちょっと、話がちがくない?
それ以前に、スネ夫お前誰やねん、謎やろ。つか、大門刑事部長、なんか言うてくれよ…
しかし大門とスネ夫が仲良しこよしである確率は、今年の巨人の優勝確率くらい高いだろう。
大門の風貌が恐ろしかったことと、たかが2ドル?160円?ごときでガタガタ言うのも、てので、
結局泣き寝入ってしまったが、金額の問題でなく、人間の尊厳的にどうなん、と悲しくなった。
帰りの飛行機で、全く同様の事例を『地球の…』が警告してるのを見た。一度読んだはずやのに…
やっぱオサライしないと、頭に入ってなかったんやねえ。と思っても、後悔先に立たず。

でもミニバス乗っていいこともあった。バスは地元民満載で、地元の雰囲気を垣間見れたことだ。
地元の人はバスの前から詰めて座って行ってた。日本人の学生諸君に見せたい光景であるよ。
お年寄りや子供にはすかさず席を譲ってた。また、車内ケータイは無問題らしい。ようしゃべってた。
とまれ、バスはホアンキエム湖の南岸付近に到着した。ホテルは同湖の北岸にあった。約1kmの道程。
と書くとたいしたことないが、スーツケース引っ張って、悪路を行くのはただでさえ難儀した。
あまつさえ、スーツケースを引っ張って町中を歩く行為は、ドラゴンクエストかなんかで、
魔物をおびき寄せるなんだかの道具を持ってフィールドを歩くようなもので。50mくらい歩くごとに、
タクシー?タクシー?と寄ってくるのが困った。ノーサンキューノーサンキュー連発でなんとか突破。
ホテルに着いた時には、なんかぐったりしてしまった。ベトナム侮れん。決して侮ってはいなかったが。
これは想像以上だ。さすがは、アメリカに勝った唯一の国…、と妙に納得してしまった。
少し休んでHPを回復した後、ホアンキエム湖畔を散策。静謐な佇まいに機嫌を取り戻す。

しかし、振り向けばヨコハマ、じゃなかった。振り向けばバイクの波。

この二枚は本当に同じ場所で撮った。この二面性こそベトナムの魅力のひとつかも。
その後、ハノイのシンボルとも言える玉山祠へ。中で巨大な亀が出迎えるらしい。

変な虎もいた。

オジサンは集まって碁か将棋のようなものをしていた。

しかしここでも、ひとつやらかしてしまった。ムーラン痛恨の「ケタ間違い」である。
入場料は2万ドン×2が本来だったのだが、後で気付いたが、何となく「40万」ドン出していた。
とにかく慣れてないのと、ゼロが大杉でよくわからないのだ、というのは言い訳だろう。
つか、日本なら400円のとこ4000円出したら、すっ飛んできてくれて返してくれるやろがなあ…
というのは甘ちゃんだろう。差額の36万ドンは高い授業料と受け止める(1300円くらいやが)。
また玉山祠の益々の発展に使ってくれれば本望。いやたぶん、受付がポッケナイナイやろうか…
その後しんなり気分のうちに、水上人形劇へ。これは面白かった!
途中ブチ切れたのか外に出てしまったオッサンが何人かいたようだが、
このシュールな笑いと、「水面下での闘い」への思いを共有できないのは残念だった。

この日の夕飯は、噂のチャーカー・ラボンへ。この店のある通りは「チャーカー通り」と呼ばれる。
これはこの店に由来するそうだ。それほどの名店。向かいに「レストラン・チャーカー」というのが
あって客引きをしており、危うくそっちに行きそうになるが。ま、姉妹店?も出るほどの名店だ。
チャーカーとは雷魚のこと。それを揚げたのを、ターメリックをからめて香草とともに炒め、
さらにそれをブンと呼ばれる米麵にかけて食す。と、説明は頭にあった。いざ行ってみると、
めっさ混雑した店内にあれあれと招かれるまま、座らされて、気付いたら、なんやしらん、
いろんなものがテーブルでグツグツ煮えてた。そのペースに乗せられ、大慌てでかっこんだ。
ドリフの銭湯ネタかよ! というのがまずの印象だった。味は非常によかった!と思う。
しかしもっとゆっくり味わえたらもっとよかった。時間帯が悪かったのかなあ…

と、1日目は、なんかすっかりベトナム側のペースで過ぎて行った。
2日目はなんとかこっちに引き戻せたら… いやむしろ引き戻そうと思う方がいかんか…
2日目はどうなりますことやら。続きます。