甲子園ボウル2011。



関西学院大学VS日本大学戦。寒空の下、観戦してきた。
前にも書いたと思うが、関学大は昔は自分にとって「宿敵」であり。
スタジアムの対岸から、鮮やかな青が印象的な、華やかな応援を、すげーなーと
思いながら観ていたものである。母校の泥臭いそれとは、あまりに対照的で。
それが、思いもよらぬ縁ができ、今回その「対岸」に移り応援するに至った。
全く人生、わからんもんである。
前売りを持っていたのと(自由席だが)、過去の経験から正直「なめていた」のとで、
かなりのんびり甲子園に到着したのであるが、それが着いてみてびっくり。
スタンド上方のいわゆる「観やすい席」は、既に二人並べる空席が全く無い状態であった。
N市にある(何故伏せる)関学大にとり甲子園は「ホーム中のホーム」であるし、
相手はこれまた宿敵・日大ということで、それが客足を早めたのであろうか。
仕方がないので、前方の、めっさ平面的な(?)席に座らざるを得なかった。
こんなんフォーメーションが全くわからんやんけ、もっと早く来てれば、とぶータレるム。
私はここでいいけど、なんやったら一人で上で観てくれば、と返すヨメ。うっかり一触即発。
さすがにそれしたら鬼畜やので、留まることにした。ここからやとスコアボードがようみえるやん、
ベンチの様子もようわかるやん、と必死に「いいとこさがし」に努めた。ヨメ、かわいそう、と同情。
しかしよう考えたら、選手はこれに近い目線でプレーしとるんね。サッカーでもそやけど、
上から観てる時は、何しとんねんあそこがあいとるやん!あそこにパスしたら楽勝やん!いうのが
わかるんやけど、それが平面にいる選手にはわからんのな。それなのに、時に上から見たら美しいくらいの
展開を見せる。そのことの凄さを、改めて知った。その意味では、怪我の功名というか、非常によかった。
慣れてくると、平面なりの観戦法、というのもわかってきて、楽しくなってきた。
ボールを持った選手が怒涛のようにこちらに向かってくる様子やら。襲いかかる赤い壁を、ひらりとかわし
青い軌跡が描かれる様子には、感動すら覚えた。戦国時代の合戦を観戦することができたとするならば、
おそらくこんな感じだろう。戦術や隊形の近代的な面白さが、アメフトの全魅力であると思っていたが。
それは上から観た時で。平面から観ると、もっと原始的な魅力というか、生の躍動というかがそこにあった。
アメフトの魅力を再発見させてくれた。当初は「失敗」に見えた本日の観戦も大いに意味があったと思う。
試合の方は、関学大が圧倒。こんなに強かったんだ…と驚かされた。
スタンドの盛り上がりも凄かったが、惜しむらくは、その盛り上がりの中に入ってしまうと、
応援団の全容がわからんのなあ。外から観たら、さぞ美しかったと思うのであるが。
中に入りつつ、外から観ることはできんもんだろうか(無理)。
もひとつ惜しむらくは、これ、「準母校」ではあっても「母校」の勝利じゃないんやね。
自分にとっては「ヴァーチャル優勝」て感じで。嬉しい反面、そこには一抹の寂しさがあった。
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<本日の言葉>
「来年は『横方向』でやった方がいいと思います」


ヒーローインタビューでの、関学大の表彰選手の言葉。甲子園の印象を聞かれてのヒトコト。
今年は、内野の土部分に芝を敷き詰め「縦方向」で試合が行われたが。そこは急造の哀しさ。
内野の芝の荒れっぷりはひどかった(それが自分の席からはよく見えた←いいとこ探し)。
甲子園ボウルを横向きに戻すより、もう、永久に内野に芝ひいたらいいんでない?と
自分なりには思うんであるが。グリーンスタジアムみたいに。
それとは別に、このコメント。よく言えばものおじしないというか、或いはいい調子、というか…
時代のせいか。はたまた校風のせいか。そのへんどやねん、とヨメとしばし議論。