はじめての人間ドック。

先日の予告どおり、本日、人生で初めて人間ドックを受けてきた。
まだお上から補助金もらえる年には一年足りないのであるが、
ヨメの強い勧めというか脅しというかもあって受診を決意した。
なんせ職場でやる機会がないもんで。自分の身は自分で守らねば。
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この辺深く考えだすと、複雑な感情にも囚われるが、そこは切り替えて。
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調べると人間ドックと一口に言ってもピンからキリまであるようで。
お泊まりでMRIからPSAから豪華についてて十万越え級、なものから。
学生時代の健康診断レベルで一万円台、みたいのもあった。少し迷ったが。
毎年恒例の「自分で選べる誕生プレゼント」による補助金を加え、
エコーと胃カメラ、大腸検査(早い話が検便)をオプションでつけて、
三万円也で心を決めた。良く言えば中庸、悪く言えば中途半端、である。
検診前日は飲みに行かれへんので、前々日に飲みに行っといた。(間違ってないか?)
そこから準備は始まっていた。前日の夜から指示通りラマダンに入る。緊張が高まる。
なんせ胃を空にせよ、とのことで、当日朝は、口を湿らす程度の水しか許されず。
また検査の円滑化を図るため、毎朝の大きな日課、小さな日課を省略して病院へ向かった。
この時点でもう実は、半分顔を出してるくらい切迫していたのである(何がや)。
当初はチャリンコで行こうと思ってたが、振動に耐えられそうにないので電車で行ったのだ。
ところが。
仕方ないことかもしれんが。病院てさあ、なんで中の人は皆殺人的に忙しそうやのに
外の人はあないに待たされるのか。毎度思うが、あれはなんとかならんのかいな。
こっちは一カ月も前から予約して段取りつけとんのやで。もっとスムーズに、という願い虚しく。
病院では時間は完全に病院に支配される。ただでさえ気が滅入るのに、そこへ内なる波動だ。
まさに地獄、であった。
受付で待たされ、やっとこさ受け付けてもらえた思うたら、処置で待たされ。
我が身の惨状を訴えようにも、あまりに機関銃のように向こうが喋るので、割って入れず。
やっと渡された呼び出しブザーがなって、これは天使のベル、検便、KENBEN、けんべーん、
と色めきたったら、寝かされて、なんかまずい薬を飲まされた。上から入れたら下から出るあるよ!
その後、鼻からいろんな薬を入れられ。早口に看護師が言うには、胃カメラの準備ということである。
鼻が通ってくるまでここで寝といて下さいと言われて、神妙に寝てたら、そこで首のブザーが鳴る。
口半開きで喋るに喋れず、どうしようか挙動ってたら、気付いたらしい別の看護師さんが、
エコーあきましたんで、先エコーお願いします、だと。うーうー、と声をあげ鼻と喉を指差すと、
あー胃カメラ準備中だったんですか。まあ大丈夫でしょう、診察室の前で待ってて下さいね、と。
気持ち悪いハナノドに泣きそうになりながら、診察室前へ。そこでまた待ち… ほんまどないや。
やっとこさ中へ入ると、エコーの準備をしつつ、医師が気分が悪いとかないですか、と問診。
気分が悪いつうより、もう、ここで出しちゃうかもしれないくらい緊急事態です、と宣言。
医師は慌てて、エコー終わったら胃カメラの前に検便するよう段取りします、やって。くう。
エコーの所見は、胆嚢、腎臓等は正常。肝臓のフォアグラぶりはだいぶましになってるが、
やっぱりちょっとだけフォアグラですね、ということである。サシ入ってます、という程度か。
エコーが終わり、看護師から検便キットをひったくるようにしトイレへ直行。しかし。
おお… 検尿はどうすんねん。何かで聞いた気がするが、小を我慢しながら大はできないそうだ。
(ごめんなさい記憶違いかもしれないが。)それは本当であると痛感した。検尿のぶんを残しながら、
しかも検便、というのは非常に熟練の技を要し、難しかった。資料の大部分を水没させてしまった。
故に検査結果には疑問符がつくかもしれない。
エコーは昔のフォアグラ時に経験があったのだが、胃カメラは初めてであった。
今流行とかいう「鼻カメラ」というやつだ。従来の「喉カメラ」の経験がないので比較は出来ないが
思ったよりも苦痛ではなかった。しかしカメラが喉を通って行く感覚とか、特に、何だかの液体で
ぐっぐっと胃が膨れて行く感覚は、なんとも言えんものがあった。何回も、というのはご免蒙りたい。
結果、幽門(胃の出口)のところに、潰瘍?の痕跡?があるのがわかった。担当医師の話では、
9割がたは心配いらないだろうが、万一、ということもあるから、一応組織検査してみましょ、と。
追加料金になりますが今取りますか、それかまた改めますか?と問われたが、考える余地はない。
カメラが鼻から出るくらい大きな声で「はいはいはい」と返事した。うえーしかし9割がた、ねえ…
一瞬だがいろんなことを考えたぞ。最悪のシナリオに戦慄したのもそうなんだが、そうなったら、
ローンがチャラになるかもなあ…それはそれで… とヨコシマなことも少し思った(こら)。
大方は、先日の試験と、発表に気を揉むストレスで胃に穴があいとった、というオチなのだろうが。
試験など頭から吹っ飛んでしまった。いかに一日一日を前向いて生きるべきか、それこそ大事。
それを考えたという一点だけでも、人間ドックを受けたという価値があったというもの。
その後、検尿(カタルシス!)、胸レントゲン、心電図、身長・体重・視力測定を経て終了。
長い半日が終わった… いや終わってないぞ。ようよう、胃カメラの看護師さんよう。
「この後1、2時間は飲食を控えて下さい」て、ちょっと幅の広い指示とちゃうか。
銀行員が「融資額は500万円乃至1000万円です」とか言ってるのと同じとちゃうやろうか。
帰りにデパートで買った高級オソウザイを前に、食うべきか食わざるべきかと悩む90分後であった。
(そして背後ではきゃつらがぎゃあぎゃあ騒ぐ)
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結果通知は、自分と院長先生の都合が合わず、二週間後となった。院長自ら発表ちうのも何か凄いが。
ドキドキもんである。数日後の試験発表の比ではない。