2010日本シリーズ中日×ロッテ。

純粋に、野球として、面白い組み合わせだと思うんだがなあ。
少なくとも私にとっては、だけれど。
実際中日は強い。今間違いなく十二球団で一番レベルの高い野球をしている。
それに、「下克上」ロッテの勢いがどう挑戦してゆくか。
落合監督―西村監督という先輩―後輩の顔合わせの妙、もある。
二人とも今、采配が冴えに冴えているので。その鍔迫り合いは見もの。
また個人的には(そもそも全部個人的)、燃える闘魂今岡誠にも注目している。
今岡様から溢れる猛虎魂を(そして放出した後悔を)ひしひしと感じ楽しみたい。
私には見えるぞ。チェンのインコース直球をレフトスタンドに叩き込む今岡様の姿が。
ロッテとしては、そんなことにでもなって、とにかくナゴヤドームの最初の二試合の、
どっちかを取らなならんだろうな。そうでなければ、お茶漬け級にあっさり、中日だろう。
ロッテが頑張ると、6戦7戦勝負になるだろうから、オタク的には願ったり、である。
つうか、この試合を地上波では全部やらんのな。ま、このカードでは無理もないかな。
日本シリーズを地上波でやらん、いうのは史上初であるそうな。ひとつの時代の転換かもね。
昔昔、日本シリーズは日本晴れの空の下やっとった。それを稲刈りの終わった農家のおっちゃんとか、
店を臨時休業にした商店の大将とかが集まって観とった、と。学生にとっては、学校さぼるとか、
イキな先生のイキなハカライという恩恵にあずかるしかなかった。自分も、どうやって知恵絞って
日本シリーズを見聞きするか、てゆうのは秋の楽しみのひとつだった気がする。牧歌的だった。
で、20世紀も終わりごろ、ほとんどの人が第三次産業に携わる社会となり、平日の昼間に野球なんて!
と誰もが思うようになって。日本シリーズナイトゲームとなった。放映権とか視聴率とか、
そんな言葉が踊るようになったのもその頃からのような気がする。ま、それなりに楽しかったけど。
で、今。みんなが同じ時間に同じものを観る、てことがだんだんありえない事になっとんのやろな。
今普通、野球のある時間に仕事終われる会社員、ちうのも少なかろう。それを普通言うていいんやろか。
今回の放映しない件を、野球人気の凋落、と短絡する人もいるけど。実はもっと根は深くて。
地上波テレビ放送ちうモデルがもう、とうに曲がり角にきとんのやないかしら、と思うわけ。
それは大量生産大量消費ちう経済モデルの終焉をも意味すんのやないかと。話が大きくなったな。
話を小さく戻して。野球人気、いう話が出たらいつも思うんやけど。昔のパリーグの球場とか、
いや、甲子園でさえも、哀しいくらいガラガラやったぞ。で、今はチケットとるのも難しい。
自分からしたら、どこが人気なくなっとんねん、て感じなんやけど。
今回も、全国的なシラケムードにもかかわらず、名古屋と千葉では異様に盛り上がってるんだろし。
なんやろ、いろんなものが「こぢんまり」してきとんのやないか、思う。
それを何かの終焉とみるのもひとつなんだけど、何かの始まりとみるのも、ありちゃうんかな。
と、毎度の如く自分で話を広げて自分で収拾がつかなくなりました、とさ。
とにかく成瀬とチェンの投げ合いが今後を占う。注目だ。
まあ、興味ない人は秋の特番でも見てなさい、ってこった。