大人買い、再び/若竹煮哀歌。
- 作者: オノ・ナツメ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2006/07/28
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- 作者: 安倍夜郎
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- メディア: コミック
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おかげで我が家の漫ゲル係数(?)は高くなる一方であるよ。
して、気付いたら、自分も夢中になっているのだから世話はない。
最近ハマッているのは上の二つである。『さらいや…』は
前から持っていて今回新刊を買ったわけだが、鳥アタマの自分は
こみいった人物関係をすっかり忘れてしまっていて。
(『MONSTER』とか絶対無理)これ機会に、一巻から全部読み直した。
次刊が出る頃までには、また完全に忘れてしまっていよう。
何度も楽しめて得、というべきか。はたまた。
『深夜…』の方は、ドラマで何回かちらちら見たことがあって、
気にはなっていたが。話のテンポが良く、するするっと引き込まれる。
ひとつひとつは独立した話で、それぞれに主人公は違うのだが、
それをだんだんと「レギュラー」に取り込んでゆく手法は、
かの『野球狂の詩』を思わせる。ってわからん例ですか、ごめん。
しかし泣かせるねえ、両漫画とも。40前の男がトイレで漫画読んで
涙ぐむってのも情けない図なんだが。(トイレで本を読むな)
両方に共通してるのは、なんちうかこう、
「人間は絶対的にひとりだが、絶対にひとりでは生きられない」
とは誰が言ったか知らないが。それ、かな。知らないのは当たり前だ。
今私が作ったのだ。(このネタ前使ったな)
「繋がり」を求める人間、人情、それと厳しい現実のギャップ。
そこにひきつけられるものがあるし、それがこれらの漫画が
現在流行っている理由なのであろう。おすすめありがとう、親友。(今更)
*****
『深夜…』を読んでいる時は、基本、泣きっぱなしなのだが。
号泣に近くなってしまったのは、3巻の「たけのこ」の回である。
といって、話自体で泣いたというより、扉に大きく描かれていた、
あまりにも旨そうな「若竹煮」に、である。どうも思い出は食べ物と
直結しているようで。いけねえや。
新卒(全く新しくはなかったのだが、いちおう)で入った会社。
水が合わず、すぐやめてしまったのである。あまりいい思い出はなかった。
しかし思い出した。やめる直前、中堅どころの優しそうなオジサンが、
サシで飲みに連れて行ってくれたのだ。当時二十代の自分ではまず行かないような
しぶい小料理屋であった。なんとかかんとかチア・アップしようとしてくれていた、
当時のオジサンの声が蘇ってきた。それをウツロな目でスルーした自分とともに。
あの時つっついていた料理に、若竹煮があった。あれは実は、うまかった筈なのだ。
それもそのはず。ワカメもタケノコも、旬真っ盛りであった。時間を戻せるなら、
「うまいっすねー、やっぱ旬のものでの酒は最高っすねー」と元気に返したい。
当時の自分にそんな余裕もなく、嗚呼。せめてねえ、風呂吹き大根とまでは言わんが、
秋茄子秋刀魚の季節ぐらいまでは我慢すればよかったのかねえ。言うても詮無き事。
そう、どんな時代も悪い思い出だけ、ということは決してあり得ないのだ。
そして、あの「若竹煮のオジサン」。今から考えれば本当に世話になった。
自分がどんなに元気付けても一向に「改心」しなかった若者を見てどう感じられたか。
もし幸運にして、会う機会に恵まれるのなら、お礼・お詫びとともに今度は楽しい酒を飲みたい。
一方で、あわせる顔がないな、と沈む気持ちもある。いやま、気持ちよく会ってもらえるために、
どうしたらいいんか、それは自分の人生で答えを出すしかない。
自分の場合、そいうことを考えねばならん対象の人が、多すぎるのだ。
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む、最近日記がすっかり「思い出モード」に入りきっている感が。そういう季節か。
いかんいかん。