さらば赤星。

まさに晴天の霹靂、の言葉通りであった。
最初そのニュースを目にしたときは、またスポーツ紙の「飛ばし」だろ?
今風(?)に言えば「釣り」だろ? いや、そうであってくれと思った。
また、何故この時期に、という思いもある。契約更改がこじれたか、
あるいは、またぞろ、阪神お家芸とも言える内紛か、とも思った。
あの新庄も突然引退宣言したことがある。その類だろうとも疑った。
契約のこじれていたドラフト五位指名・藤川選手の入団も決まりつつあり、
外国人外野手の獲得も予定されていると聞き、外野手がダブつくんちゃうか?
と思ってはいたのだが、それらも赤星のことの伏線であったのだろうか。
さすがの赤星も、怪我には勝てなかった。そして、見事すぎる引き際。
とにかく、毎度月並みな言葉しか思いつかないのがもどかしいが、残念の一言。
赤星と言えば、盗塁が代名詞のようなものであるが。それ以上に私が
赤星を凄いと思っていた点は、ファールを打つ技術と粘る精神力、であった。
素晴らしい足を持っていても、塁に出なければひとつも盗塁はできない。
カットカットカットカット、としつこく粘り自分の打てる(転がせる)球が
来るまで待つ。その技術は芸術の域であったし、粘りは尊敬に値した。
阪神が「ダメトラ」であった頃(過去形で書いていいのかはわからないが)
外角の逃げ球に、殺意がわくほどあっさりと空振りをする選手が多かった中、
外球に体ごとくらいついてゆく姿勢は傑出していた。間違いなく阪神を変えた選手。
また、赤星という名前がよかった。いかにも活躍しそうな名前ではなかったか、と。
こういうふうに過去形で書くのも非常にイヤなのではあるが。
今岡が、藤本が、ウイリアムスが、そして赤星が去り、矢野も大幅減俸ということで。
世代交代がなかなかなされなかった阪神にも、いよいよ、波が来た形である。
さびしくなるなあ、といったん下を向いてしまいそうにもなるが。いや。
行く人もいれば来る人もいる。話題の城島については静観をしている私だが、
今年のドラフトでは、四位秋山、前述の五位藤川と、骨のありそうな若者を得た。
赤星がいなくなるのは非常に残念であるが、赤星のスピリットが今後の阪神
受け継がれていくことを祈り、AKAHOSHI 53のユニを着て、一生応援し続けたい。
(そのためには、赤星ユニが似合うような体型にならんといかんのであるが。)
赤星の第二の人生が充実したものとなることを、また祈るものである。