『我が家のミサイル騒動』。

いとしこいし師匠、伝説の名人芸、
『我が家の湾岸戦争』のパロディです。
不謹慎かつ、オリジナルには程遠い御下劣さを、最初にお詫びいたします。
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「どーもー」
「よろしくおねがいしますー」
「まあ先日来のミサイル問題で、日本は上へ下への大騒ぎでしたな」
「そうですな、おかげで僕とこは、ほんまえらいことでしたわ」
「おお?日本に被害はなかったはずでっしゃろ?君とこと何の関係がありますねん」
「それが大ありですねん。僕、前からミナミの美沙にいれあげとりましたな」
「まだ君、つづいとるんか。前あれだけ嫁さんと揉めたやないか。えらいことですわな」
「それがやな。つい先日、天保山の『首領〜DON〜』で、美沙とマッタリしてましてん」
「懲りんやっちゃな。それでどないしましてん」
「そこに嫁から電話や。びっくりしましたわ。突然『美沙いる?』と。女は怖いでんなあ」
「ま、それはわかりましてんけど、今回のミサイル騒動とはやっぱり関係ないですやん。
 ま、あっちさんは、人工衛星やというてますけど。しかし、今回のは平和目的の『銀河』
 やいうてますけど、軍事利用の『テポドン』と何も変わらないちうことでんなあ。発射
 されたのが『舞水端里』からいうけど、似合わん綺麗な名前つけとりますなあ」
「まあ、聞いて下さいよ。僕は、舞洲で美沙と星を見とったわけですわ。海に近い岸の端
 っこでしたわ。『この銀河を君にあげたい』て口説いてたんですわ。平和な時間でした。
 ま、頭ん中ではこっからどうやって天保山の『首領〜DON〜』まで連れ込むかを、必死
 で計算してましてんけど」
「いやそれは、軍事目的と平和目的をうまくかけたつもりかもしれまへんけど、人工衛星
 は?出てきませんやろ? あほな話もたいがいにしてください」
「嫁さんに『あんたまた浮気してからに!』て電話で問い詰められた時、『いやこれは浮気
 やあらへん。日本の少子化を憂い、研究しとるんや。人口についてのエッセーを書くためや』
 言いましてん」
「それはいろんな意味で苦しい言い訳ですなあ。じゃあ聞くけど、今回日本は迎撃に備え、
 PAC3やSM3を配備し、イージス艦まで出動させたいうことや。そういうもんが君の話
 にでてきますのんか?」
「家帰ってドア開けたら、いきなり納豆のパックが3つ。サンマが3本飛んできましたわ。
 PAC3とSM3ですわ。サンマのスマートな体が目に刺さりそうになりました。怖い怖い。
 我が嫁ながら、いいコントロールですわ。いいスジしてますわ。家守ってるだけなんは勿体ない」
「じゃあ、今回の件は、6カ国協議の今後の動向に影響を及ぼすとも言われてますが、
 そこんとこはどうですねん?」
「今度、今回のことについて、僕の両親と嫁の両親、僕と嫁の6人で話しますねん。
 それ考えると今から頭が痛いですわ。いきなり決裂、ちうこともあり得んことでは…」
「ちょう待ってくださいや。ただの6人での話し合いと、6カ国というのと混同はなし、や。
 アメリカ、日本、中国、韓国、ロシアに北朝鮮、6つの大国の絡む重大ごとや」
舞洲に寄りましたんは、USJの帰りだす。USJの帰りに、A、そう!舞洲や!て」
「それでアメリカと日本いうつもりか。中国と韓国わいや」
「嫁の実家が、中国は広島だんねん。そいでま、今度離婚勧告は必至かと…」
「ロシアわい」
「僕のほうのオカンが、昔でいうところの、キャビアウーマンで…」
「ほいで北朝鮮は」
「まそれは、お楽しみということで」
「わけわからんこと言いな。ま、せいぜい専守防衛、自衛につとめることですな。
 美沙もいいが、家庭の安全保障や。もうミナミは懲り懲りでっしゃろ」
「いや、今度はキタに挑戦しよう思とります」
「いいかげんにしなさい」
「ありがとうございました」