Symmetries are destined to be broken.

10月8日朝日新聞記事より。
ノーベル物理学賞を受賞した南部陽一郎さんは、近所づきあいで親しくなった女性の長男の結婚祝いに、
>「Symmetries are destined to be broken.(対称性は破れる運命にある)」と自分で書いた色紙を贈っていた。
>女性は意味をつかみかねていたが、今回の受賞で初めて納得した。
>南部さん夫妻の留守宅は大阪府豊中市にある。帰国時に一緒に花見へ出かけるなど親しく近所づき合い
>をしている林靖子さん(65)は8日朝、数年前に長男が結婚した際に書いてもらった色紙をたんすの
>引き出しにしまい込んでいたのを思い出した。
>英語でつづられており、南部さんに頼んで包み紙に書いてもらった日本語訳は「対称性は破れる運命にある」
>とあった。「慶事なのに『破れ』って何だろう」と思っていた。しかし、新聞報道などで今回の授賞理由が
>「対称性の破れ」と知ってびっくり。林さんは「色紙が家宝になった気がする。うれしい」と声を弾ませた。
>今後は額に飾るという。
こういう、「わかるかな、わかんねえだろうな、俺にもわからん」、てメッセージ。結構好きである(笑)
いやいや、南部博士はきっとわかってらっしゃるんだろうが。この色紙の解釈が、巷間では(2chを含め)
さまざま取りざたされている。学者のKYさを表す好例、という厳しい意見もある。まそれもあるだろうが(笑)
「喧嘩しながら頑張ってやっていきなさい」というエールととりたい。私のような凡人のできる最大の解釈だろう。
今回を機会に「対称性の破れ」についていろいろ読み漁ったが、やっぱり、全然わからなかったが、
自分なりの解釈では、物質と反物質が均衡していないから世界が存在している、ての?間違ってたらごめん。
そう考えると、自分らが存在していることの不思議を思い、その奇跡に感謝し、
自分らは世界について知っているようで、実は全然知らないんだ、と虚心にかえらせてくれるものでもある。
少なくとも、わーむずかしー、わかんなーい、でもすごーい、って気にはならんわな(苦笑)
科学を究めてくると、人間の存在がいとおしくなってくる、と何かで読んだことがあるが、
科学も宗教も文学も、究めてくると全部がオーバーラップしてくるんかもしれないね。
しかしそれにしても、ひとつのことを極めている人はすごいということか。いろんな意味で、ね(笑)
Symmetries are destined to be broken. なんと美しい言葉ではないか。
南部博士と聞くとカッツェ様しか思い浮かばない私には、到底およばんな。(古いよ)
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ボーア博士の、
「CONTRARIA SUNT COMPLEMENTA(対立するものは相補的である)」
も好きだな。