SF珍道中1「旅情に浸る間なし」。

お待たせいたしました。(待ってる人いる?)
サンフランシスコ一人旅の顛末を、ぼちぼち書いていきます。
長くなりそうなので、何回かにわけ、しつこく(笑)いきます。
しばらくはこのネタで引っ張らせて頂きます。
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油の浮かぶ顔。疲労が滲む。
前日慌しくパッキングを済ませ、仕事に行き、その後仕事場の改装準備を
終電まで手伝う。短い睡眠からの目覚めは最悪だった。
重いスーツケースは、自宅前の急坂を転がるように先に滑ってゆく。
(てゆうか三泊でなんでこんな荷物があるのか)
それとは裏腹に、体はついてゆかない。何故私は米国に行くのか。
何故SFなのか。しかも高い金を払って。今更ながらの疑問が湧いてくる。
そんな私を無理に連れて行くかのように、スーツケースは無慈悲に転がる。
電車に乗り、少し落ち着き、空港への最寄まで半分くらいまできたところ。
残した家に関するいろいろな、不安が頭をよぎった。それを克服すべく、
様々な箇所について順番に、イメージトレーニング(?)を試みる。
玄関は確かに閉めた。
窓は、、、、あそこ、あそこ、あそこ、全部閉めた。
ガスの元栓、、、、、締めた。水道、、、、、締めた。
パソコン、、、、電源抜いた、確かに。テレビ、、、テレビ、、、テレビ?
おーー、テレビ。私の頭の中ではこうこうとテレビがついてしまった。
いやそんなわけないだろ。いくらなんでも消すやろ。いやでもいまいち自信が。
時計を見る。帰って○分、また来て○分、搭乗まで○分。よし大丈夫か。
不安を抱えていくよりも、確かめた方がええやろう。よし、戻るか。
で、戻ってしまった。思えば旅に行きたくないという心理がそうさせたのか。
最寄り駅に戻り、またあほのようにあの急坂を走って登り。息をきらせ帰宅。
果たして。私は半分は正しく、半分は間違っていた。すなわち、電源は切れていたが、
主電源は切っていなかった。私は、自分への怒りも込め勢いよく主電源をブチ切った。
そして、日本への未練もともに、断ち切ったのであるよ。(何度も言うが、三泊である)
このタイムロスが痛かった。
大阪空港に着いた私は、たまげた。折りしも8月10日日曜日。帰省ラッシュの只中。
殺人的に混んでいた。いやこれ間に合うんかな。絶望に浸りながら、仕方ない、
私は最後尾に並ぶしかなかった。しかし、時間は迫る。離陸まであと20分、15分、10分、
列は動かない。やばい。どないしまひょーー。30台半ば、男ムーラン、半泣きである。
その時救いは来た。「10時発羽田ゆきのお客様ーー! 羽田行きのお客様ー!!」
衆人環視も構わず、自然に大声が出た。「はい!!はい!! はいはい!!」
職員とともに空港内を走る走る。セキュリティチェックは特別口ですませ。
真面目に早く来て並んでいる皆様済みません。本当に済みません。でも仕方ない。
あとはコンコースを猛ダッシュ。いやはや、あんなに焦ったのははじめてかも。
正直、おしっこもれそうであった。(失礼)
乗ってすぐ飛行機は動き出した。電車ばりである。こんなのもはじめてだ。
機は無事羽田に到着。当初は東京で飯でも食べようと思っていたのだが、反省を生かし。
とにかく、スピードだ。荷物をピックアップするとわき目も降らずリムジンへ。
そのまま成田に直行する。バスの中でも走りたい気分になる。車窓風景を楽しむ余裕もなく。
成田到着(早)、ここでも、すかさず猛然とカウンターに向かう。鬼気迫るとはこのこと。
しかし、空港職員の無情な宣告。
「済みません、16時のサンフランシスコ行きのフライトは、二時間遅れます」 はあ?
ああ時間が貯金できれば。あんなに急いだのは何だったのか。4、5時間何すればよいのか?
てゆうか、着いてすぐ、ジャイアンツ―ドジャーズの試合にこっちは行くのですよ。
遅れたらどうしてくれるのか、しかしその可能性は高い。ぬぬう。国歌斉唱から観たいよう。
ノックから観るのは諦めるとしても、それは諦めきれんぞ。
そんな私の焦りをよそに、搭乗口の扉は、冷たく閉ざされたままであった。
アメリカはまだ私を受け入れてくれていないようだ。
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すみません、一回目ではアメリカに着けませんでした(苦笑)
また次回、乞うご期待、です。引っ張りますよ(笑)