もうひとつの甲子園。

Moulin2007-08-26

今年は仕事にプライベートに忙しく、夏の甲子園に行くことができなかった。
仕事も一段落し、そのやるかたない鬱憤を解消すべく、一念発起した。
「もうひとつの甲子園」とも呼ばれる、高校軟式野球選手権を観に、
明石公園球場まで行ってきた。ムーラン死すともオタクは死せず。参ったか。
初めての軟式野球観戦は、予想以上に素晴らしい体験であった。
まず球場の雰囲気がいい。グラウンドとスタンドの距離が近く、臨場感溢れる。
甲子園で言えばアルプスの位置にある応援席では、数こそ少ないが、
オリジナリティたっぷりの心温まる応援がなされている。ひとりひとりの
心の叫びまでが聞こえるようである。
また内野席の客層は、すごいの一言。オサーンひとり、という確率が異様に高い。
ま、私もその一人であったわけだが(おい)。ぶつくさ戦術論を呟いている者。
丹念にスコアをつけている者。この人、どう見ても関係者ではないのだが。
こらーちゃんとせー何勉強してんねんー校長出せー、とひたすら野次る者。
と、こいつはいただけないが。とにかくディープなオタクがひしめいている。
あまりにメジャーになりショーアップされてしまったのに、それでいて、
「高校生らしく」「爽やか旋風」という無理なものを求めている、
三捻り半矛盾した硬式高校野球が忘れてしまったもの。それがまだここにはある。
或いは西宮球場大阪球場といった、古きよきパリーグのスタンド。
それに似た雰囲気もここにはある。すっかり魅せられてしまった。
オタクの神は、よほど私を引き込みたいと見えて、試合の方も白熱。
新見高校―本荘高校という、失礼ながらあまり多くを期待していないカードだったが。
5点リードの新見に対し、9回裏本荘が怒涛の反撃を見せ4点を返す。あと一点!
しかしあと一人! 二死満塁・一点差・一打出れば逆転、というしびれる展開に。
最後の打球は力ない左飛に終り、奮闘本荘、半歩及ばなかったが、スタンドからは
両者の健闘を称え惜しみない拍手が。特に負けた本荘高校から、勝った新見高校に対し、
「フレフレ新見、フレフレ新見」とエール。瞬間、不肖ム、不覚にも落涙。
やばい。これは完全にはまってしまいそうだ。機会があればまた行きたい。
なんせテレビではやってないからのう。行くしかない。明石・高砂、嫌いな町ではないし。
いっそ引越したろうかな、とも。(おい)
見てるうちに「軟式独特の戦術」というものがあるとわかったりして、また興味深く。
それについては、また機会があれば書かせてもらう。てゆか知りたい人おるのかどうか。