大局観。

数年前、正月に実家帰った時、ヨメや妹と将棋を指した。
あーだめだめ、銀は真後ろに行けないの。あ、それは二歩っつって。。
と、私が偉そうに「指導」しているのを、横で見ていたオカンが言った。
「あんたようお父さんに負けてたね。あんた負けるとすぐスネて騒ぐから、
お父さんわざと負けてあげたりしてて。。」だって。わ恥ずかし。
まあ、根底に流れるものは、今も同じなのだろう。
昨日はぎゃあぎゃあ騒いでしまい、反省することしきり。
将棋でも選挙でも人生でも、負けは負け。すっきり受け入れなければならない。
それがなかなかできないのが、私の悪いところだと、痛感。
で、将棋のことをいろいろ思い出したわけだが。私のような下手が言うのも
なんだが、今回の選挙、将棋にたとえると非常に面白い。
保守政党がいきなり「改革」と叫び、革新政党の地盤を荒らしまくったのは
「逆馬」(王が敵陣に入ってゆくこと)を思わせる。逆馬に入ると
王が詰みにくくなる、ということだが。まさに王がウマウマと逃げ切った形だ。
いつでも取れる敵の駒のことは「質駒」という。296議席と大勝の自民。
その上、何個かの「質駒」も加え、確実に300は超えるやろうな。恐るべし。
果たしてそのお仲間入りをするのか、野田さん、ムネオさん。亀井さん。
堀江は負け、亀井は勝った。しかし堀江は犬死だったか。そうではない。
堀江との勝負に忙殺され、亀井が動けなかった。全国を駆け回り、新党を喧伝し、
それこそいろいろばら撒き、反小泉の潮流を起こすことができなかった。
それだけでも十分価値がある。いや、むしろ最初から堀江は、そのためだけの
人材だったのだろう。本当に議員として小泉が彼を欲しているなら、比例にも
名を加えていたはずだ。肉を斬らせて骨を断つ。いや小泉、やはり恐るべし。
蛇足。毎度の羽柴秀吉は、その小泉に一騎打ちを挑むも惨敗。こちらは犬死。
19万対2500じゃねえ。。 しかし2500人もバカがいるんだな。神奈川にも。
「大局観」という、将棋では一番重要な言葉がある。
部分的にはよく見える手でも、局面全体を見通すとよくない、ということがある。
堀江の敗北、亀井の勝利。そして、自民党の勝利、日本の民主主義の敗北。
そして羽柴秀吉の敗北。
大局から見ると、また違った意味合いを持ってくるのだろう。
そう考えると、ぎゃあぎゃあ騒いでいた自分が、また恥ずかしくなった。