『海を飛ぶ夢』

という映画を見に行った。
スペイン製作で、アカデミー外国語映画賞に輝いた名作という触れ込み。
題名から私は「アビエイター」みたいなヒコーキ物を予想していたのだが。
それは全然間違っていて。真の内容は(以下ネタバレしますので、反転します)
事故により四肢が麻痺し、26年間の寝たきり生活を余儀なくされた
男の『尊厳』をめぐる話。要は『死ぬ自由』を勝ち取るまでの闘いを描いた話だ。
ヨーロッパ映画らしい、「これは問題だ、さあ答えはあなたに」式の話であり、
(通称「こき逃げ」)どよーーんとなって映画館から出てくること請け合い。
ハリウッドやったらこう持っていくんやろうなあ、ということを考えながら観ていた。
まあ、あっちにはあっちの、こっちにはこっちの良さがあるということで。
で、その問題であるが、これは考えても答えは出んだろう。
しかし考え続けなければならない問題とも思う。自分がそうなったら、或いは
大事な人がそうなったらどうか。自分がそうなったら即座に死を選ぶかもしれない。
いや、この主人公のように自らは手を下せないのか。むむう。。。
大事な人がそうなったら。「息をしていてくれるだけでいい」と自分は思うだろうが、
それは自分のエゴなのかもしれない。うう。難しい。作中にもあるように結局、
「誰が正しいなんて誰にもわかりゃしない。ただ唯一わかることは。。
あなたは喧しいわ」ということなのかもしれない。
(以上、反転終わり)
ヨメの話によれば、スペイン・ガリシア地方を舞台としたこの映画は、
きちんとガリシア言葉を話す人々で作られているとか。ガリシア人同士で話している時と
都会人が混ざった時のスイッチング(=切り替え)も精緻に描かれており、
その意味で作る側の姿勢に非常に好感が持てるとか。全然わからんかったが(苦笑)
少なくとも、英語を流暢に操るギリシア人とか日本人とか、日本にない筈のシダ植物とか。
そんなんが出てこなさそうなことだけはわかった。いや、あれもあれで笑えていいのだが。
<原作>

海を飛ぶ夢 (翔年たちへ)

海を飛ぶ夢 (翔年たちへ)

  • 作者: ラモンサンペドロ,Ram´on Sampedro,轟志津香,中川紀子,宮崎真紀
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