A or E?

先日新聞の投書欄を呼んでいたら。目をひいたのがあった。
北島選手の「超気持ちいい」が話題となり流行語大賞まで取ったが,
あれは実は「超気持ちええ」だったではないかと。素直に方言として出された気持ちを
わざわざ標準語に捻じ曲げて伝えるのは,方言に対する冒涜でないのか,とかなんとかかんとか。
と,その人は怒り骨髄!という感じで書き連ねていらさったのだが。
まず人間にとっては何事も腹立つネタになる可能性があり,いろんな論理と結びつければ
事実からいろんな解釈が生まれるのだな,と半ば感嘆してしまったのだが。
あるいはこういう人がうまそうにメシを食っているとことかあまり想像できんな,とかも思った。
似たような話で,昔マラソンの有森選手の「自分をほめてあげたい」という言葉が話題となったとき,
あれは実は「自分をほめたい」だったのだと。「あげる」というのは子供や動物に対して使う言葉で,
なかったはずの「あげる」がわざわざ付け加えられて流布したのは,現代人の幼児性あるいは
自分に対する甘さ以外の何者でもないとかなんとか,とかも言われた。これはこれで面白かったけど。
「ええ」か「いい」というのは,また違った様相を帯びている。有森さんの場合は明らかに間違って
伝えられたのだから話はわかるんだけど。何回も何回も流れた北島選手のインタビューを思い出すと,
僕は「いい」としか聞こえなかった。ヨメの意見ではあれは「いい」と「ええ」の中間だったとか。
さすがは世界をまたにかける選手。英語発音が身に染みついてしまっているのかと思ったそうな。
やはり情報の伝達もまたその解釈も受け取り手次第なのだなあ,と改めて思った。
「方言を冒涜している!」と思った人は,普段そういうことが頭を占めているのだろう。
真実はひとつなのだがね。気持ちAだろうが気持ちEだろうが「気持ち」は一緒だし。
林家ペー林家パー子は二人でセットなのだ。しかしパー子さんの目はいつも笑っていないぞ。
と,無関係の情報をばらまいてお茶を濁しておく。これ,授業で困った質問が出た時とかやっちゃうの。
これぞ師匠(誰)直伝の技でござるよ。にんにん。