アテネオリンピックもついに終わりんぬ。毎度ながら「晴れ晴れとした寂しさ」に浸る。

それにしても室伏の金に対しては複雑な思いがする。室伏が金になるかもしれないと騒がれた時は,
あたかもマラソンで応援している選手が二位に甘んじている時,先頭の奴がこけへんかな,と
淡い期待を抱くとか。そんなんにも似ているかもしれないな,と思った。
そんなこと思っていたら,本当にマラソンであんなことになってしまったのは驚いた。
女子マラソンのときからヒヤヒヤしていたのだが。野口選手に花を渡しに来た奴とかいたし,
そのへんがラテンの大らかさと言えばそれまでだが。デ・リマ選手はたまったものではなかっただろう。
ん? ギリシアってラテンか? 「ラテンとヘレネスを一緒にするな,奴らはまだまだ歴史が浅い」と
胸を張って言われそうだが。まあ,大らかさもそれに輪をかけている,ということか。警備緩すぎ。
とにかく午前中自宅にいることもあり,五輪を見まくった夏であった。また,時間帯的に,
ゴールデンを外れており,所謂マイナー競技を放映している時が多く,様々な競技を見たものだ。
アーチェリーから,射撃・馬術・陸上ホッケー・自転車・重量上げ・ヨット・カヤックなどなど。
それぞれに,それぞれのルールとそれぞれの定石があり,それぞれの解説者がいたりして。目新しい。
特に円盤投げ系の解説者は偉そうだった。お前何様?みたいな。
やはりどんな分野でもエキスパートというのはいるものだな,とか。
そしてどうして数ある競技のうちからそれを選ぶに至ったのか,ということは非常に興味がある。
しかし,困ったのは,ルールや定石が全くわからないので,観戦のポイントに苦労したことだ。
レスリングは,その際たるものだった。最初はなんでこんなしんどい思いしてくんずほぐれずするのか,
と不思議だったが。みるうちに,次第にルールが分かってきはじめ,そこには丁丁発止の駆け引きが
存在するのだ,と理解するようになった。今では「男はやっぱり俵返し。これ最強。」とか,
「しかしこれやると次から審判にマークされる,諸刃の剣」とか,通ぶって見さえしている。
レスリング。なかなか侮れない。まあ,せっかく通になってもまた四年間TVでは見られないわけだが。
皆さん,レスリング会場の片隅でメモを取り必死に応援する人を見かけたら,それは私かもしれない。
ほんまかいな。