お別れ。

実は二週間ほど前のことであった。
飼っていたハムスター・ソクラテスが逝ってしまった。
なかなか現実が受け入れられなくって、このことに関しては
筆が滞っていたのだが。ようやく書かねば、という気になってきた。
三週間ほど前から、少し目が腫れてきたなあと思っていたのだが、
そのうち食事も摂らなくなり、全く精気がなくなってきた。
慌てて病院に連れて行ったり、ヤギの乳がいいと聞けば求め飲ませたり。
八方手を尽くしたが甲斐なく。早暁、ヨメの手の中で最期の息を引き取った。
まだ半分くらい寿命はあると思っていたのだが。。何の前触れもなく。
あまりにも突然の別れであった。たかが畜生、と言ってしまえばそれまで。
しかしたしかにそこには交流があり、心の触れ合いがあった気がする。
いや、それは幻想に過ぎんのかもしれないが。ともかく、「彼女」を
中心に生活が回っていたのだけは間違いない。それだけにショックは大きい。
「だから生き物を飼うのは嫌だ。二度と飼うまい」という気持ちも正直ある。
ただ、生や死や、日ごろ避けて通っている事柄を動物は人間に教えてくれる。
その機会を得るためなら、やはりまた飼った方がいいのか。いや、とは言え。
ハムスターはまた飼えてもソクラテスは二度と飼えんわけやし。悩んでいる。
プラトンアリストテレスと続けて飼うかどうかは当分決まりそうにない。
(名前決まってるんかよ)